世界が注目! “クールジャパン”キックスのトップランナー「アシックス」の定番・新名作スニーカー5選
今や運動靴という枠組みを飛び越え、1つのカルチャーとしても世界中で愛されているスニーカー。その魅力である軽快な履き心地と個性豊かなデザインは、一流の革靴を日々の相棒とする読者諸氏をも魅了してやまない。ここでは“本物”を知る大人の男が選ぶべきスニーカーを提案する。 【写真】名作バッシュをデイリーユース仕様にアップデートされたアシックスの「GEL-PTG」 写真=青木和也 スタイリング=泉敦夫 文=TOMMY 編集=名知正登 ■ “Anima Sana In Corpore Sano” この世の中には、本来の意味合いや用途とはまた違った捉えられ方で、人々から受け入れられるモノ・コトが数多く存在する。言葉はその最たるものの一つだ。 古代ローマの風刺詩人であるデキムス・ユニウス・ユウェナリスが著書で記した、“Anima Sana In Corpore Sano”という有名なフレーズ(※原典ではAnimaはMensと記されている)。本来の意味としては“(もし神に祈るならば)健全な身体に健全な精神があれかしと祈る(べきだ)”となるのだが、時を経た現代では“体が健康であれば、心も自然に健康になる”と、断定する意味合いで広く知れ渡り、様々な場面で引用されている。 だがしかし、こういった変化が誤りであるとは一概に言い切れない。創設者である鬼塚喜八郎が前述のフレーズに感銘を受け経営理念とし、頭文字(A・S・I・C・S)をブランドネームに冠する日本生まれのブランド。そう、今回のテーマである“アシックス”がまさにそうなのだから。 スポーツによる健全な青少年の育成を目的にスポーツシューズの製造を開始し、様々なジャンルに挑戦しながら実直に積み重ねてきた開発の歴史も、今年で75周年。近年ではその独自性あふれる機能とデザインが注目され、トラッド、ストリート、モードの垣根なくファッションシーンでも支持を集めている同ブランド。今回は、世界に誇れるクールジャパンとして、スポーツという本来の用途とはまた別の視点から人気を集める“定番&新名作”にフォーカスする。 1.「GEL-PTG」 ■ あの名作バッシュをデイリーユース仕様にアップデート 本稿テーマに則したモデルの背番号1には「GEL-PTG」がふさわしい。1983年に発売されたバッシュ「ファブレポイントゲッター エス」のオーセンティックな意匠を踏襲しつつ、日常使いのライフスタイルモデルとして生まれ変わったアップデート機種だ。 ヒールに搭載された“フューズゲル”テクノロジーでクッション性を強化するのみならず、ブラッシュアップは細部にまで及ぶ。外観は、シューレースを7mmから8mmの太さに変更してソフトな印象を加味。さらに肝心の履き心地に直結するインソールと中底を従来よりも柔らかな素材に。心地良い足入れと甲や小指の足当たりの改善により、快適な着用を叶えた。 ここまでで3ポイント連続得点。しかも黒色無地のインソールで“シューズを脱いだ際の汚れが気にならない”という細かな気遣いでさらにダメ押し1ポイント。