胃カメラ・内視鏡検査を受ける頻度を医師が解説 年齢・年代で必要な検査頻度は変わる?
胃カメラや大腸カメラは、忙しさや恥ずかしさ、さらには「体の中にカメラを入れる」という恐怖感もあり、なかなか検査に踏み切れないという方も多いのではないでしょうか? そこで内視鏡検査を受ける目的や意義、推奨頻度について、消化器内科医の佐々木 大樹先生(佐々木医院院長)にMedical DOC編集部が話を聞きました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
健康診断や消化器内科で胃カメラ(胃内視鏡検査)を受ける頻度はどれぐらいがいい? 定期的に検査すべき理由は?
編集部: 胃内視鏡検査について教えてください。 佐々木先生: 胃内視鏡検査は、通称「胃カメラ」と呼ばれていますが、正式には「上部消化管内視鏡検査」という検査です。基本的には、胃だけではなく食道や十二指腸などを内視鏡で観察し、異常がないかを検査します。 編集部: どんな病気がわかるのですか? 佐々木先生: 胃や十二指腸の潰瘍・ポリープ・ヘリコバクター・ピロリ菌の有無、胃がん、食道がん、十二指腸がんなどのがん病変もわかります。これらのがんには、初期には自覚症状があまりないため、検査で早期発見することが大切です。 編集部: では、どのくらいの頻度で受けたら良いですか? 佐々木先生: どのくらいの間隔で検査を受ければ良いかは、胃がんなどにかかる危険性が高いかどうかによって異なりますが、「一般的には2~3年間隔」で受けるのが良いと考えられています。 編集部: 人によって異なるのですね。 佐々木先生: そうですね。例えば、以前にピロリ菌の除菌を受けた方や早期胃がんの内視鏡治療を受けたことのある方などは、胃がんになる可能性が比較的高いため、1年に1回の検査をお勧めします。
健康診断や消化器内科で大腸カメラ(大腸内視鏡)を受けるべき推奨頻度は? 便潜血・血便があったら検査した方がいい?
編集部: では、大腸内視鏡検査についても教えてください。 佐々木先生: 大腸の内部を内視鏡カメラで観察する検査です。胃カメラが口から挿入するのに対し、大腸カメラは肛門から挿入して検査します。また、胃カメラも同様ですが、検査中にポリープやがんを疑う病変があった場合には、組織を一部採取したり、ポリープの切除を行ったりすることも可能です。 編集部: どんな病気がわかるのですか? 佐々木先生: 大腸がんや大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎などのほか、大腸憩室症や虚血性腸炎、クローン病などを見つけることができます。 とくに、大腸がんの早期発見には、大腸内視鏡検査がもっとも有用です。 編集部: こちらも定期的に受けた方が良いのでしょうか? 佐々木先生: そうですね。これといった自覚症状がなくても、定期的に受けることをお勧めします。とくに50代以上の方は、2~3年おきには検査しましょう。40代でも、まず一度は受けていただきたいと思います。 編集部: 理由も教えてください。 佐々木先生: 大腸がんの患者さんは、40代以降に急激に増えてくるというデータがあるからです。早期の大腸がんなどは自覚症状がほとんどなく、また、仮に血便が出たとしても、初期の場合は量も少ないため、気づかない方も多いのです。 症状がなくても、定期的に検査しておくと早期発見につながります。もちろん、便潜血や血便などがあった場合は、すぐに検査を受けてください。