はやぶさ2、初のリュウグウ着地は2月22日 昨秋から延期、ヤマ場のミッションに挑む
小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」地表に着地する日程が決まった。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6日、初となるタッチダウン(着地)を日本時間の22日朝に行うと発表した。当初予定は昨年10月の予定だったが、予想以上にリュウグウ地表に岩石が多く凹凸だったために日程を延期し、着地地点の選定を進めていた。はやぶさ2は午前8時ごろに着地し、地表のサンプルを採取する予定で、今回のミッションはヤマ場を迎える。 【動画】「はやぶさ2」リュウグウへのタッチダウンは2月22日に JAXA会見(2019年2月6日)
午前8時ごろに初の「着地」へ
JAXAの計画によると、はやぶさ2は着地予定前日の21日午前8時ごろ、高度20キロ付近から降下開始。高度5キロ付近で減速し、翌22日午前7時ごろ、リュウグウ地表から45メートル付近に到達する。地表に投下済みのターゲットマーカを目印にさらに降下し、同午前8時ごろ、リュウグウに着地する予定。はやぶさ2は地表の物質をサンプルとして採集した後、着地から数秒後には上昇を開始し、1日かけて元の高度20キロ付近に戻る。 着地地点は、リュウグウ赤道付近に位置する「L08-E1」と「L08-B1」という2地点からL08-E1を選んだ。こちらの方がターゲットマーカにより近く、着陸精度が高くなると判断した。また地表面に大きさ60センチほどの岩が散在するL08-B1よりも安全に着地できると見込んだ。
着地運用中に途中で異常を検知した場合は緊急上昇(アボート)し、計画を中止する。その場合、予備期間(3月4日の週)に着地を試みるという。 6日に開いた記者会見で、タッチダウン前の心境を聞かれたプロジェクトマネージャの津田雄一氏は「今はもう、着陸地点も着陸方法も決まったので、間違いのないように運用を遂行するよう全力を尽くしたい。頭の温度を下げてクールに遂行していきたい」と話した。 今回のタッチダウンが成功した後は、2回目のタッチダウン運用と人工的にクレーターを作っての地表下サンプル採取を行う予定。JAXAでは、太陽とリュウグウの距離が近くなって地表温度が上昇するため、これらの運用は7月までに終えたいとしている。 (取材・文:具志堅浩二)