街明かりが少ない場所で観察したい 夏の大三角と天の川に輝く二つの宝石
数多くの画家に描かれた白鳥とレダの物語
白鳥の物語にもさまざまなお話が伝わっていますが、中でも有名なのは大神ゼウスが変身した姿です。あの浮気者のゼウス。今度は白鳥に化けて、どんな女性に近づいたのでしょうか。 古代ギリシャのスパルタの王妃レダは絶世の美女として有名でした。ある日のこと、レダは侍女たちと共に宮殿の近くの泉へと出かけ、水浴びを楽しんでいました。その様子を見ていたゼウスは、レダに近づく計画を立てました。その策とは、ゼウスが白鳥になり、愛と美の女神アフロディテには鷲になってもらい、レダの前で鷲に追いかけられる白鳥を演じるというものでした。 ゼウスの計画は大成功。レダは美しい白鳥が追われている姿を見て、可哀想だと、かくまってあげました。 こうしてレダは、2つの大きな卵を生みました。1つの卵からは、双子の兄弟カストルとポルックスが生まれ、後のふたご座となっています。もう1つの卵からは、双子の姉妹ヘレンとクリュタイメストラが生まれ、どちらもトロイア戦争に関わる美女となっています。 白鳥と寄り添う美しい女性の絵画は、レオナルド・ダ・ヴィンチなどの有名な画家たちが描いているので一度は目にしたことがあると思います。ぜひ、見かけたときには、この物語を思い出してみてください。 さて次回は、南の空低いところに輝くお誕生日の星座をご紹介します。今年は土星と火星が近くで輝き、空を賑わせていますよ。 【連載】東京で見える星たち(葛飾区郷土と天文の博物館・湯澤真実)