折りたたみスマホはどう進化した?発売間近の「Galaxy Z Fold6」魅力やギモン、課題をまとめて紹介:短期レビュー
折り目は?重い?気になるポイントと課題をおさらい
一方で、折りたたむという奇妙な仕様上、気になる点も多いでしょう。まず「折れ目は目立つのか」についてですが、結論として「ほぼ気にならない程度」です。感触で曲がっているのはわかるうえ、画面がオフ=黒背景の場合だと、光が反射して気になることもありますが、点灯時は特に目に障ると思ったことはありません。ただ、メインディスプレイについて補足すると、材質上やや柔らかく傷や衝撃に弱いという欠点があります。Foldシリーズは長らくスタイラスペンに対応していますが、爪やペン先で力強く押してしまうと破損する可能性があり、注意が必要です。 そして、折りたたんだ際の状態について。Foldシリーズでは長らく折りたたみ時に画面のヒンジがくっつかない仕様でしたが、昨年のFold5ではピッタリ閉じるよう劇的な改善が見られました。Fold6でもヒンジ機構の改良も見られ、デバイスを閉じた際に隙間がなく、しっかりと閉じる感覚は非常に心地よいです。 画面が物理的に2つあることから重さも気になるでしょう。本機の重量は239グラムで、Fold5の250グラム超えから劇的な軽量化を実現し、両機を比較すると真に実感します。その一方、やはり一般的なスマホと比べると重めでかつ、「Xiaomi Mix Fold 4」や「Honor Magic V3」の226グラム、「Vivo X Fold3」の219グラムと急速に進化する中国勢と比べると頑張ってほしい感は否めません。ただ、これらは日本で買えないため直接的な問題にはならず、シリース単体で見れば着実に進歩した印象です。 つまるところ「スマホにしては重いが、タブレットにしては軽い」という印象です。
1年前から着実に進歩。進化の過程だからこそ、新しいもの好きは必見
最後に過去モデルを使ったことのある方に向けて、主なアップデートを紹介。重量がかなり軽くなったのは前出にあるとおりですが、その他の点としてはボディの形状が角張ったこと、側面もマット仕上げになったことが挙げられ、見た目の印象がかなり変わっています。そのため、見かけ上のスペックに劇的な変化がないと思いきや、触ってみると想像以上に違いが実感できるので、量販店などで触ってみることをオススメします。 新たにGalaxy AIと呼ばれる独自のAI機能群が新たに搭載されています。今春発売したS24シリースの「かこって検索」が使えるのはもちろん、オンデバイスでの高精度な文字起こしができるレコーダー、リアルタイムの音声翻訳、そしてノートやスケッチアプリでの画像生成など、多数の機能が散りばめられています。 これは公式も大々的にアピールしているのですが、実際のところ頻繁に使うのは殆どないうえ、過去モデルでもOne UIアップデートすれば使えることを加味すると、特段「Fold6だけ!神!」とは言えないがたいのが率直な感想です。 また、これは折りたたみスマホ全体に言えることですが、アプリやブラウザの対応状況も依然として課題とも捉えられます。これは消費者やベンターの問題というよりかは提供側に依存するものであり、レスポンシブ表示に非対応のウェブサイトだと、開↔閉操作時に表示が崩れることも極稀にあります。 ただ、年々その問題も解消に向かっている印象にありゲームやSNS、メーラーはタブレット表示に切り替わります。特にYouTubeやMeet(Web会議)は半折り状態になると自動で画面分割モードへ移行し、各種操作パネルが表示されるという徹底ぶりで、使っていてとても心地よく、これからの充実にも期待されます。 以上、新発売となるFold6を折りたたみスマホ全体の特長も交えつつ簡単に紹介しました。大画面を折りたたむというある種のロマンが先行する状況には変わりませんが、軽量化や使い勝手など着実に進歩を見せ、仕事効率化などを目的に購入するのも悪くない域に達しています。あとは「25万円~」という価格が最大のネックになるかと思いますが、ロマンに感銘した方、新しいもの好きの方は是非ともおすすめしたい一台になっています。
市井