ちょっとマイナーな「珍車」ばかり! VWの博物館がすごかった 秘密のコレクション 18選
1976年 ロボモビル
流線型のグラスファイバー製ボディを持つロボモビル(Rovomobil)だが、はじめはごく普通の1949年型ビートルとして西ドイツで誕生した。その後東ドイツに移り、しばらくは何事もなく平凡な生活を送っていたと思われるが、最終的には熱狂的なファンであるエバハルト・シャルノフスキー氏とブルク・ギービヘンシュタイン氏の手に渡った。 1976年、彼らはビートルからボディを取り外し、手に入る部品や材料を使って、他に類を見ないスポーツカーを作り上げた。ロボモビルのフロントガラス、ワイパー、シートはヴァルトブルク353から、ライトはトラバント601から取り付けられている。最高出力35ps、1.2Lのフラット4エンジンは、オリジナルのビートルと同じである。
1977年 パサートGTI
1975年の初代ゴルフGTIの登場以降、フォルクスワーゲンがGTIモデルのラインナップ拡大を図るのも時間の問題だった。2年後の1977年、最高出力110psの1.6L 4気筒エンジンを搭載した実験的なパサートを開発。ゴルフよりも車重は重いが、それでも印象的なパフォーマンスを発揮した。サスペンションの改良によりハンドリングが改善され、おなじみの赤いアクセントで外観をスポーティに仕上げている。 エンジニアたちはパサートGTIを公道で徹底的にテストし、その出来栄えに感嘆したが、経営陣は開発中止を命じる。パサートはファミリーカーであり、ホットロッドではないというのが彼らの主張だった。それでも、最高出力110psのエンジンは、快適性を重視した最上級モデルのGLIに搭載されることになった。
1984年 ポロのエンジンを搭載したビートル
排出ガス規制により、いずれは空冷式の水平対向4気筒エンジンを搭載したビートルも廃止されると思われていたが、まさか2003年まで生き残るとは誰も予想していなかった。水冷式ビートルの開発は1970年代に開始され、1984年にポロのエンジンを搭載したモデルが試作された。 メキシコ製のビートルをベースに、最高出力45psの1.0L 4気筒エンジンを縦置きに搭載。ラジエーターを車体下部に設置し、分厚いスキッドプレートで保護するなど、通常とは異なるパッケージングを採用した。 ポロのエンジンは後にバスにも搭載されたが、ビートルは生産終了までフラット4エンジンを使い続けた。