ちょっとマイナーな「珍車」ばかり! VWの博物館がすごかった 秘密のコレクション 18選
1973年 プラッテンヴァーゲン
1946年当時、フォルクスワーゲンのウォルフスブルク工場にはフォークリフトがなかったため、従業員たちが創意工夫を凝らして最初のプラッテンヴァーゲン(Plattenwagen)を製作した。ビートルのシャシーに金属製の荷台を載せ、そのリアアクスル上に運転席(屋根はあったりなかったり)を取り付けたのだ。 この原始的なピックアップトラックは、工場内の部品運搬や従業員へのお茶の配給など、さまざまな用途に使用された。1946年から1973年の間に数十台のプラッテンヴァーゲンが製作され、フォルクスワーゲンはこの独創的な車両がT2(ワーゲンバス)の誕生につながったと振り返っている。博物館に展示されている車両は1973年に製作されたもので、最高出力50psの1.6L空冷式水平対向4気筒エンジンを搭載している。
1973年式 T2bオープンエア
構造的強度やボディ剛性などお構いなし。フォルクスワーゲンは1973年にバスから屋根を取り払い、T2bオープンエアという名のオープントップモデルを誕生させた。良くも悪くも、一般向けには販売されなかったが、「アイン・プラッツ・アン・デア・ゾンネ(Ein Platz an der Sonne:陽の当たる場所という意味)」というドイツのテレビ番組で使用された。
1975年 キッコ
コンパクトでありながら室内の広いシティカーというフォルクスワーゲンのビジョンを体現したのが、このキッコ(Chicco)である。全長約3.3mと短いが、4人の乗員が比較的快適に過ごせるだけのスペースが確保されていた。不可能とも思えるこの偉業は、フォルクスワーゲンが1970年代に開発した技術によって達成された。 キッコの動力源は、最高出力40psの0.9L 3気筒エンジンである。基本的には水冷直列4気筒エンジンからシリンダーを1つ取り除いたものだ。エンジンは横置きで前輪を駆動し、エンジンルームのサイズを小さく抑えることができた。キッコは試作にとどまったが、フォルクスワーゲンのその後のシティカー開発に影響を与えた。