【バレー】ブリリアントアリーズジュニア・藤岡智恵美監督「可能性は誰にも決められない」、西澤紗希さん「一人のプレーヤーとしてコートに立たせてもらっています」
近年、国内バレーボールリーグであるVリーグにおいてジュニアチームの存在感が増している。 再編されたSVリーグ・Vリーグはクラブライセンスの条件のひとつとして、ジュニアチームの保有を各チームに働きかけた。 これまで地域貢献とみなされがちだったジュニアチームだが、上記の流れを受け、ファンサイドもジュニアをチームファミリーの一員として意識する機会が増えている。 信州ブリリアントアリーズは開幕戦のホームゲームにおいて同じ長野県のVチーム、長野GaRonsのジュニアチーム(ガロンズ夢王)とエキシビションマッチを行った。 ブリリアントアリーズジュニアは10月に開催されたSV-V.LEAGUE U15選手権大会にも出場し、ベンチとコートの一体感を含め、記者の印象に強く残ったチームだった。 試合後、アリーズのOGでもある藤岡(旧姓:堀崎)智恵美監督、ジュニア大会で優秀選手賞を受賞した西澤紗希選手に話を聞いた。 今回取材させていただいたミドルブロッカーの西澤選手は中学3年生。高校に入ってもバレーは続けるとのことだ。 記者の質問によどみなく受け応える西澤選手からは単なる中学生ではなく、アリーズの一員としての矜持も感じられた。 なぜ活動先としてジュニアチームを選んだのか。部活との両立は? そこで何が得られたのか。 現役選手の率直な言葉はインタビューとしても貴重なものであろう。 そして藤岡監督の現役時代を知る方々にも、今なお指導者として成長を続ける勤勉さとそのパッションを存分に感じてもらえれば幸いである。
●藤岡智恵美監督
――アリーズの開幕戦でジュニアチームのエキシビションマッチが開催された経緯は? 藤岡:新生Vリーグが開幕しました。信州ブリリアントアリーズは試合前に毎回イベントを行うのですが、その記念すべき1本目を何にするか…その検討をしている中で 「各チームの育成部門だったりアカデミーが力をつけてきていて、今いろんな人から注目をいただいている。アリーズのジュニアもたくさんの子どもたちの希望になって欲しい」 という声をいただき、 「では一番最初のイベントはジュニアチームのエキシビションマッチでいきましょう」 ということになりました。 対戦相手は長野県内で一緒に活動し、交流もあるガロンズ夢王さんにお願いして一緒に盛り上げよう、と。そういう経緯ですね。 ――チームの普段の活動について。 藤岡:チームを立ち上げて4年目。毎年力をつけていっている手ごたえがあります。もちろんバレーボール自体もそうなんですけれども、興味を持ってくださる方々の数であったりとか、活動自体の幅が徐々に広がっていると感じています。 同時に子どもたちの意欲も年々上がってきていますね。バレーを始めてみたい初心者もいれば、スキルアップを目指したい子もいます。それぞれが目的に沿った活動ができるようにアリーズも今年からコースを2つに分けています。おかげさまで本当に多くの皆さんに参加していただいていますし、みんなが輝いているなと感じています。 ――部活動との違いは? 藤岡:部活動ではどうしても先生の時間だったり、環境が限られる中での活動になってしまうと思います。 クラブチームではバレーボールに特化した考え方だったりスキルアップだったり体の作り方だったり、そういったことにも取り組めますし、バラバラの中学校から集まってチームを組みますので、人とのコミュニケーション、協調性をたくさん磨くことができるのが特徴だと思っています。 バレーボールしたいという積極的な意思を持つ子どもたちが集まってくるので、気持ちの離れもなく、みんなが同じ方向を向いている。それぞれがいいものを持ってここに集まってきているというのが部活動との大きな違いではないかなと思います。