純日本チーム「スーパーアグリ」が復活 新カテゴリ「フォーミュラE」とは?
0-100km/h加速は約3秒 パフォーマンスは?
続いて気になるのが、電気自動車でどこまでのパワーが出るかという部分です。まず最大出力は200kW(270HP)ですが、これはプラクティスと予選、そしてレース中にオーバーテイク機構「Push-to-Pass」システムを使用した時のみ。通常時の最大出力は133kW(180HP)に制限されています。つまり差分の67kW(90HP)は一時的にしか使えないため、F1で採用されている運動エネルギー回生システム「KERS(Kinetic Energy-Recovery System)」のように、使用する場所やタイミングが重要な鍵を握ることになるでしょう。 そのパフォーマンスについては、0-100km/h加速が約3秒、最高速度が225km/hと記されています。最高速度の項目には“FIA limited”という注釈付きなので、おそらくリミッターがなければそれ以上まで出せるポテンシャルを秘めているのでしょう。残念ながら100-200km/h加速のデータは記されていませんが、こちらは今後のテスト映像など公開資料が増えてくれば明らかになりそうです。なお、トラクションコントロールの使用は禁止となっています。
6チームが参戦表明 鈴木亜久里の「スーパーアグリ」も
次にレギュレーションですが、現在のところレースには計10チーム・20名のドライバーが参加予定です。予選は4周で、そのうちタイムアタックラップは2周。決勝レースは約1時間ですが、ドライバーはこの間に必ず1度マシンの乗り換えが義務づけられています。つまり、1レースで2台のマシンを乗り継いでチェッカーを目指すため、マシンの仕上がり具合やバランスなども重要になってくるでしょう。たとえばどうしても1台の調子が上がらない場合、それを先に使うか後に回すかといった戦略も求められます。 現在、参戦を表明しているのは6チームです。まず、一番最初にFIAへ申請を出したイギリスの「ドレイソン・レーシング(DRAYSON RACING)」、中国の「チャイナ・レーシング(CHINA RACING)」。マイケル・アンドレッティが率いるインディカーの名門「アンドレッティ・オートスポーツ(ANDRETTI AUTOSPORT)」と、同じくインディカーに参戦している「ドラゴン・レーシング(DRAGON RACING)」。アラン・プロストがレーシングコンストラクターのDAMSと提携してフォーミュラE参戦のために設立した「e.dams」。そして11月1日に、鈴木亜久里が率いる「スーパーアグリ・フォーミュラEチーム(SAFE:Super Aguri Formula E Team)」の参戦が発表されました。 「スーパーアグリ」といえば、F1ファンならもちろんご存じのはず。そう、鈴木亜久里を代表として2006年から2008年までF1に参戦していた“純日本チーム”です。当時は残念ながら資金不足によって撤退を余儀なくされましたが、フォーミュラEではさらなる躍進が期待されています。