パリ五輪メイン会場近くのポンピドゥーセンターと銀座のエルメスの共通点は?巨匠建築家レンゾ・ピアノの代表作をチェック!
メニル・コレクション/アメリカ・ヒューストン
メニル・コレクションは、ドミニク・デ・メニルとジョン・デ・メニル夫妻の、現代美術を中心としたコレクションを収蔵・展示する美術館です。 レンゾ・ピアノの設計による美術館本館は、1987年6月に開館しました。建物の上部を庇から一体となったフラットな屋根が覆い、展示室の天井には、採光のための天窓と、光を散乱させるためのルーバーが設けられています。 直射日光を遮りながら、どの角度からの自然光も柔らかな間接光となって展示室を包み込み、自然光で展示物を鑑賞できるようにと考えられました。構造と設備によってアートに新たな光の当て方をした、画期的な設計です。
チバウ文化センター/ニューカレドニア・ヌメア
ニューカレドニアの首都、ヌメアにあるチバウ文化センターは、博物館、劇場や図書館、庭園などからなる文化複合施設です。この島の先住民族であるカナック族の伝統や文化などを紹介する目的で、1998年に開館しました。 レンゾ・ピアノが設計した大小10棟の建造物は、伝統的な家屋「カーズ」をモチーフとし、カナックの文化のさらなる発展を願うことから、あえて未完成に見えるようにしたのだそう。 1年を通じて気温の変動が少ない温暖な気候のため、空調設備は備えていませんが、自然の風を通すための開閉可能なルーバーで、換気や温度調節ができる設計になっています。風を取り込み木々に溶け込み、自然と一体化している、魅力的な施設です。
パウル・クレー・センター/スイス・ベルン
その半生をスイスの首都ベルンで過ごした画家、パウル・クレーの作品4,000点以上を所有している美術館です。レンゾ・ピアノの設計で、2005年に開館しました。 ベルンの郊外から街を見下ろす丘陵地帯に建つ建物は、丘に埋まりながら丘のようにせり上がっている、波打つフォルムが特徴的。自然と穏やかに調和しています。 膨大な作品を所蔵・展示する空間のほか音楽ホールやレストランも併設しており、様々なセミナーやイベントが行なわれる文化センターでもある、人気の施設です。