パリ五輪メイン会場近くのポンピドゥーセンターと銀座のエルメスの共通点は?巨匠建築家レンゾ・ピアノの代表作をチェック!
関西国際空港旅客ターミナルビル/日本・大阪
関西国際空港は、大阪湾上の人工島に建設された海上空港。その主要な旅客ターミナルビル(現:第1ターミナルビル)の設計を、国際コンペで選出されたレンゾ・ピアノ・ビルディング・ワークショップ・ジャパンが務め、1994年9月に完成、開港しました。 建物は緩やかに弧を描く全長1.7kmもの壮大な屋根に包まれ、内部には1階から4階までを見渡せる吹き抜けが広がっています。 利用者が現在地や目的地を一目で把握しやすい空間デザイン、かつ屋根の形態は大空間を空調するための気流に基づき決定されており、天井のオープンエアダクトは照明の反射板にもなっているなど、意匠・構造・設備が一体となった施設です。 軽さと柔軟さを重視したことから1995年の阪神・淡路大震災にも耐え、リノベーション工事などを経ながら現在も多くの利用者を迎えています。
銀座メゾンエルメス/日本・東京
2001年竣工の銀座メゾンエルメス。エルメスの「MAISON(家)」を、というコンセプトを受け、レンゾ・ピアノは暖かなランタンの灯りがともる建築を着想しました。 約15,000個もの半透明のガラスブロックで覆われた建物は、昼間は太陽の光を受けて空色や銀色に輝き、夜は内部の光を透過して、エルメスのイメージカラーであるラグジュアリーなオレンジ色を想起させる美しい発光体となります。 ガラスブロック1つの面のサイズは45cm角。4つでちょうど、エルメスを代表するアイテムであるスカーフ「カレ」と同じ90cm角になるモジュールです。 柱は細く、一見ガラスブロックを積み上げたようですが、ガラスブロックのカーテンウォールを吊り下げるようにした独自の耐震構造で実現されています。
ザ・シャード/イギリス・ロンドン
ザ・シャードは2012年の建設当時、EUで最も高い建物としてイギリスの首都ロンドンに誕生した超高層ビルです。 高さ310m、95階建て。遠目には四角錐のピラミッドを空に向かって細長く引き伸ばしたようなシンプルな形状に見えますが、近付いてみると8つの平面を組み合わせた凹凸により、より鋭利で洗練された印象です。 「シャード」とは、ガラスの破片の意。外面には11,000枚ものガラスが張られています。太陽光や空模様を乱反射し、外観が天候や時間帯によって大きく変化する面白さと、巨大な建造物にも関わらず空に溶け込むような透明感が、目を惹きつけてやみません。 建物内にはオフィス、レストラン、ホテル、マンション、展望施設などがあり、多くの人々が利用しているロンドンの名所です。