「インフルエンサーに媚びてる」と批判も…「ほっかほっか亭」がXに投稿した、料理研究家・リュウジへの“コラボ依頼”は、“第二の「10分どん兵衛」”となれるのか?
有名な事例は、日清食品の「10分どん兵衛」だ。どん兵衛は通常はお湯を入れて5分ほど待って完成なのだが、タレントのマキタスポーツさんがラジオ番組の中で「10分待って食べるとおいしい」ということを紹介して、SNSで話題化したことがきっかけとなっている。 これを受けて、日清食品は、どん兵衛の公式サイトに「日清食品は10分どん兵衛のことを知りませんでした……」というお詫び文を掲載した。 さらに、マキタスポーツさんと日清食品のどん兵衛担当者との“緊急対談”を企画し、サイト上に掲載した。これがさらに話題を呼び、SNS上に実際に試してみた投稿や、どん兵衛のさまざまなレシピを紹介する投稿が相次いだ。
2019年の漫才大会「M-1グランプリ」で、無名だったミルクボーイがコーンフレークをネタにして優勝する出来事があった。これに対して、コーンフレークを生産・販売しているケロッグ社がTwitter(現X)で祝福の投稿をして、大きな話題になった。 コーンフレークを“ディスる”ようなネタだったにもかかわらず、祝福の投稿をして話題になったという点では、今回のほっかほっか亭のケースとも似ていると言える。 さらに、その直後、ケロッグ社はミルクボーイに同社のコーンフロスティ 1年分をプレゼントしたり、ミルクボーイをケロッグ公式応援サポーターにしたりと相次いでコラボレーションを発表して、話題を増幅させた。
インフルエンサーとコラボして商品開発をする事例も多数ある。食品で言えば、YouTuberのヒカキンさんがセブン-イレブン限定で発売した味噌ラーメン「みそきん」が大好評で売り切れが続出したことは記憶に新しい。 ■今回の「ほっかほっか亭」の対応は評価したい このように、先行する成功事例はいくつもあるのだが、“インフルエンサーの批判的な意見に対して、商品リニューアルへの協力を公開で呼びかける”という試みは珍しいように思う。