米東・戦力分析 第5部/上 選手全員でつなぐ攻撃 1年生コンビ起点に /鳥取
<第91回選抜高校野球 センバツ高校野球> 選手わずか16人ながら強豪ひしめく昨秋の中国地区大会で準優勝を果たした米子東ナイン。強さの秘訣(ひけつ)を、新チームが発足以降の昨秋公式戦のデータを基に攻撃面、守備面の2回に分けて紹介する。 「山陰のおかわり君」のあだ名で知られる主砲・福島悠高内野手(2年)は185センチ、95キロと恵まれた体格からの豪快なスイングが最大の持ち味。計6試合で打点11、打率4割2分9厘といずれもチーム一。力任せに引っ張ることも多かったが、相手のタイミングに合わせる打撃も身につけた。打率3割1分の福島康太内野手(同)や、好機に強い森下祐樹投手(同)も対戦相手には嫌な打者だ。 彼らの前に攻撃の起点となるのが米東が誇る1・2番の1年生コンビ。1番・岡本大翔内野手はチーム2位の打率3割2分3厘で、出塁率は4割を超える。今月9日に岡山県津山市であった作陽との練習試合では3点本塁打を放つなど上り調子だ。2番・山内陽太郎外野手は「ここ数年の部員では身体能力はピカ一」(紙本庸由(のぶゆき)監督)と評されるように、柔軟なバッティングを見せ、逆方向の長打も量産する。 全8戦のチーム打率は2割4分2厘。1試合の平均得点は5点と、いずれもセンバツ出場チーム中では高い方ではなかった。冬場は攻撃力強化を掲げて筋力トレーニングや食事改善に力を入れ、選手の体重は平均約3キロ増えた。現在は練習試合が続いているが、紙本監督は「バットの当たりが強くなり、スイングスピードも秋より速くなった」と手応えを感じている。 また実戦を意識した走塁練習を重ねて走力も磨いている。8試合で盗塁数は12にとどまっていたが、チームトップの4盗塁を決めている森下投手は「常に次の塁を狙う姿勢は見せたい」と意気込む。福島悠内野手も「打撃と足が絡み、選手全員でつなぐ攻撃を目指している」と宣言。理想の打線が甲子園でも見られるか注目が集まっている。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇米子東の上位打線成績(公式戦のみ) 打順 氏名 試合数 打数 安打 本塁打 打点 三振 四死球 犠打飛 盗塁 打率 1 岡本大翔 8 31 10 1 4 7 7 1 0 .323 2(左)山内陽太郎 8 34 8 0 4 4 5 1 0 .235 3(左)森下祐樹 8 29 6 0 5 6 8 2 4 .207 4 福島悠高 6 21 9 1 11 7 6 0 1 .429 5(左)福島康太 8 29 9 0 5 4 3 1 3 .310 ※(左)は左打ち。打順は3月9日現在。敬称略