「道の駅いかりがせき」の碇ケ関御関所 津軽の玄関口で江戸時代の情緒を満喫 青森 味・旅・遊
まるで江戸時代にタイムスリップ?秋田県境の国道7号沿いにある「道の駅いかりがせき」(青森県平川市碇ケ関)に衆目を集める珍しい建物がある。その名も「碇ケ関御関所」。津軽藩の城郭町・碇ケ関の中枢を担い、津軽の玄関口として厳しい取り調べが行われたとされる関所跡を復元した施設で、当時の歴史や時代背景を肌で感じることができる。時代劇好きの人にとっては垂涎(すいぜん)の的とも言える貴重な建物の魅力を届けるべく「いざ出陣!!」。 【写真】碇ケ関御関所の中心施設「面番所」=青森県平川市 碇ケ関御関所は、弘前藩(津軽藩)初代藩主・津軽為信公が天正14(1586)年に出羽国比内郡(秋田県)を本拠とした比内浅利氏を攻め、帰陣する際に設けたとされる。南部藩、佐竹藩、津軽藩が接する場所で越境者、盗伐者などを厳重に監視し、箱根の関所に匹敵するほど厳しい関所だったといわれ、明治4(1871)年まで存在した。 現在の建物は、昭和59年に秋田県境に復元されていたもので、平成17年に関所の中心施設・面番所を道の駅に移築した。 ■取り調べの風景再現 秋田県大館市に隣接しているとあって、駐車場の秋田ナンバーの多さに驚きながら、さっそく足を踏み入れると、思わずのけぞりそうになった。何と、いきなり目に飛び込んできたのが当時の厳しい取り調べの風景を忠実に再現したリアルな人形ではないか。まずは〝出迎えてくれた〟足軽に「お邪魔します」とひと言申し添えて中へ。責任者のいる上番所で丁重にあいさつをし、掃除や荷物を改めるなどの役目がある下番所の役人にまた頭を下げた。奥には旅人が男性か女性かを確かめる「女改め部屋」があり、女性が関所を通る際の取り締まりの厳しさを垣間見た。 長い月日を経て今にも動き出しそうな人形を目の当たりにしながら取材をしていたその時「ん?」。ふと何かが動いたような気配と視線を感じ、思わず四方を見渡した。気のせいなのだが、あまりにも精巧な作りの人形に動揺したのだと確信。「夜はやはり怖いですよ」。案内してくれた施設を管理する第三セクター・碇ケ関開発の桑田直樹社長の言葉に納得した。 ■行列できるたこ焼き