運転手不足解消の一手 体験会から女性バス運転手誕生 年内の現場デビュー目指【長野・上田市】
深刻なバスの運転手不足を解消しようと上田市ではバスの運転体験ができる会社説明会を開いています。その説明会に参加した女性が、憧れのバス会社に就職しました。 ■指導 折井直人さん「そこでギアを入れ替えてもらえますか?まっすぐになったところで。」 渡辺美佐さん「まっすぐになったところで・・・はい。」 折井さん「(ギアチェンジは)やさしくね。」 先月、千曲バスに入社した渡辺美佐さん。きょうから実際にバスを運転する業務研修が始まりました。 ■指導 渡辺さん「あートラックいる。」 折井さん「大丈夫です。切れると思います。」 渡辺さん「ゆっくり。」 折井さん「そこは2番に落としてもらっても構わないので。カーブに入るところは2番に落としてもらって。まっすぐのところであげてください。」 上田市では運転手不足を解消しようとバスの運転体験ができる会社説明会を開いています。市と4つのバス会社で作る「上田市公共交通活性化協議会」が主催しこれまでに2回開かれています。 ■渡辺さん「ずっと高校とか学生のころから大型の運転に憧れがあったんですけど、高卒だと免許の兼ね合いで厳しいじゃないですか。諦めていたんですけど。今回体験ができるって聞いてできることがあるならやってみようと。(Q大型バスの運転は?)初めて。(Q普段は普通乗用車?)普通でもないです。軽です。」 運転体験は自動車学校で行われるため大型免許がなくても参加できます。 ■千曲バス・吉池雅基さん(指導官)「ゆっくり。ゆっくりですよ。」 渡辺さん「動いた!」 吉池さん「いいですよ。」 渡辺さん「バスを運転している!」 吉池さん「一回ちょっと止まりましょう。ブレーキ踏んでみてください。<急ブレーキ>・・・ブレーキは最初慣れるの大変ですよね。」 渡辺さん「足首が混乱する。<カーブを曲がる>・・・やった曲がれた!」 4月から、バスやトラック、タクシーなどの運転手に対して時間外労働の上限や休息時間が改定されました。いわゆる「2024年問題」です。 ■千曲バス・伊藤俊樹さん 「運転手が今日終わる、例えば21時に点呼が終了した場合、もともと(休息時間が)8時間だったので21時から8時間後には出社できると。これが4月から11時間ということになって。その3時間が大きい課題になってしまって、人を増やさないとやっていけない、運営していけないという事態になっている」 コロナ禍以降、千曲バスでは貸切バスの需要が増えています。ただ、運転手が足りず、路線バスや高速バスの運行を優先しなければならないため、貸切バスの依頼を断わることもあるそうです。 ■千曲バス・伊藤俊樹さん 「いまで(運転手が)40人ぐらい。本当は50人ぐらいほしい」 千曲バスでは、就職者に対して大型二種免許の取得費用を全額負担するなどの手厚いサポートをしています。大型車両に憧れていた渡辺さんはいわば「期待の星」です。 ■渡辺さん「急ぐとろくなことがないのでゆっくり。」 渡辺さんは今後研修を積みながら年内の現場デビューを目指します。