【2024衆院選】朝日新聞×東大・谷口研究室 共同調査⓵【長野】
(草田)ここからは朝日新聞長野総局の小室浩幸総局長に加わっていただきます。 (小室総局長)よろしくお願いします。 (草田)朝日新聞社と東京大学谷口研究室は、今回の衆院選の候補者を対象に様々な政策課題へのスタンス、考え方を聞きました。 このテーマ、政策課題について、「あなたはどう考えますか」という候補者への問いです。候補者は全国で1344人、うち今月21日までに1245人、92.6%から回答を得ました。県内は5つの小選挙区の候補者、13人全員が回答してくれました。まず「夫婦別姓」について、候補者がどう考えているのか。それぞれの小選挙区、上から1区です。1区の候補者・・・2区の候補者というふうに並んでいます。 「夫婦が望む場合、結婚後も夫婦がそれぞれ結婚前の名字を名乗れることを法律で認めるべきだ」この考え方に賛否を尋ねました。 こちらから「賛成、どちらとも言えない、反対」という選択肢に対してそれぞれこうなりました。 私の方から小室さんの方に向かって「反対」という傾向が強くなっていきます。 (小室総局長)自民党では、3区の井出さんが賛成と回答しました、同じ自民でも5区の宮下さんはどちらかといえば反対で、同じ政党でも意見の違いがみられます。野党候補は『どちらかと言えば』を含めると全員が賛成派です。 (草田)いまは結婚を機に、女性の側が名字を変えるケースが多いんですが、経済団体から要望も出ているように「働く現場で支障が出る」、「暮らしへの影響もある」という意見はあります。一方、別姓は家族の一体感が失われるという意見もあります。 小室さん、政党によってトーンに違いはありますか? (小室総局長)この質問で全国の候補者の回答を平均すると、自民党候補者は賛否が拮抗しています。ちょうど中間の位置です。 ≪注意政党平均は下の段≫ 連立を組む同じ与党の公明候補は賛成が多く、考え方に違いが出ました。 自民との距離が最も近い党は維新です。 (草田)こうして県内候補者のスタンスを改めて見てみると、賛否拮抗の自民の中で井出さんの賛成というスタンスは自民候補でも少数派ですか。 (小室)そうですね。自民党で賛成とした人は全体のおよそ1割、13%ほどでした。 (草田)つづいて日本の防衛力はもっと強化すべきだ、この考え方についての賛否です。 (小室総局長)「どちらかと言えば」を含めると自民4人と維新2人が賛成派でした。 自民の井出さんが「どちらとも言えない」と答えています。立憲は1区の篠原さんが反対派でしたが他の3人は賛成派です。共産党は2人とも反対でした。防衛力を強化すると周辺国への抑止力を高められるという考え方があります。一方で、日本が強化することで、周辺国の強化を引き起こす可能性はあります。そうなると、地域の緊張感が高まるおそれもあります。 (草田)外交問題に発展する可能性という意味では、総理大臣の靖国神社参拝、「参拝してほしい」とする賛成と、反対の意見が分かれました。これについては同じ党でも候補者、個人個人で考え方に違いがあることが分かりますね。 (小室総局長)政党平均では与党の自民・公明でも考え方に隔たりがありました。 自民と維新の考え方の距離は近くて、公明は反対寄りで立憲、共産、れいわ、社民と近いスタンスでした。 (草田)続いても、考え方に違いが出ました。 「企業が納めている法人税率を引き上げるべきだ」賛成、反対各候補者の立ち位置です。 (小室)これは政党の考え方と候補者の考え方が近い項目で、自民党の候補は「どちらとも言えない」を中心とした分布で、立憲は「引き上げ賛成」側に寄った分布です。共産は明確な賛成でした。維新は「どちらとも言えない」と「どちらかと言えば反対」でした。 (草田)小室さん、法人税率を引き上げると、どうなるんですか? (小室総局長)企業に対する課税を強化すると、その分の税収が増えます。 増えた分を社会保障などに充てる考え方があります。一方で、言ってみれば痛みを引き受ける企業は、新たな投資や賃上げを手控えるかもしれない。その点を心配する声もあります。 (草田)県内の候補者は政党に所属しています。 政党の考え方は公約に反映されています。この調査結果はあすもご覧いただきます。 小室さん、25日もよろしくお願いします。