日大の第三者委が最終報告(全文1) アメフト部は内田監督の独裁体制だった
アメフト部や内田氏にガバナンス機能が働かない体制
さて、中間報告書では本年5月6日に日大アメフト部員のA選手が関西学院大学アメフト部に対して行ったルールを逸脱した危険なタックル。このタックルはA選手1人の責任ではなく、内田前監督と井上前コーチの指示により行われた旨、報告いたしました。中間報告書に記載した事項につきましては、最終報告書には記載しておらず、本日も特段の説明はいたしません。 最終報告書では中間報告書を踏まえて、アメフト部および本件危険タックルに関する日大のガバナンス問題と、アメフト部の改善策等について記載しています。皆さまのお手元には最終報告書とその要旨をお配りしてあります。かなりの長文であり、論点が多岐にわたっておりますので、最初に私から調査のポイントについて、図表を使いながらご説明いたします。その説明のあと、お配りしました要旨の本文を読み上げさせていただきます。その後、皆さまからのご質問をお受けいたします。そういう手順で進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。 それでは、図表を使いながら要点について説明を始めます。日大アメフト部は内田監督の独裁体制にありましたが、それを十分にチェックできる体制にはなっていませんでした。画面に映っている図の右下を見てください。日大にはアメフト部はじめ、34の競技部がありました。本件当時、アメフト部の監督は内田氏であり、部長はほとんど名前だけの存在でした。アメフト部はじめ、競技部は組織上、日大の付属機関である保健体育審議会に所属していました。保健体育審議会の会長は大塚学長です。 保健体育審議会が競技部あるいは競技部監督を指導・監督する立場にありました。表のとおりであります。しかし同審議会はその位置付けも不明確で、実質的にも形骸化していました。そして、競技部を監督する保健体育審議会の機能は、一般には体育局と呼ばれている保健体育審議会の事務局に委ねられていました。本件当時、体育局の長は内田氏であり、体育局の長とアメフト部監督が同一人物である以上、体育局によるアメフト部およびアメフト部監督への監督指導機能はまったく期待できず、実際にもチェック機能はまったく働きませんでした。 図でもう一度確認していただきたいんですが、右下の監督のところとその上の体育局の長のところです。加えて、内田氏は人事担当常務、常務理事、人事部長という経営側の要職も兼任していました。これも図で見てくださいませ。内田氏がいた部署4カ所を図では赤で示しています。これだけ兼職すると内田監督へのチェック機能が働かないことは一目瞭然でしょう。本件発生当初、本件に関し内田氏にものを言える人間は事実上、理事長以外には存在しなかったと思われます。 このように平素からアメフト部や内田氏に対するガバナンス機能の働かない状態で本件は発生し、発生後も対応はアメフト部や内田氏任せにされ、大学当局の対応は後手後手に回っていきました。その経緯は最終報告書に詳細な時系列表を入れており、要旨の別紙にも要点を記載していますが、分かりやすいように説明のポイントだけを抜き出し、図面の時系列表で説明いたします。画面に時系列表を映します。