「久保建英に若い記者たちがサインをねだり…明らかにカオス」インドネシアで日本代表は“アイドル目線”?“中継には映らなかった”舞台ウラ
北中米W杯アジア最終予選グループC第5節、インドネシアは日本をホームのゲロラ・ブンカルノ競技場に迎え、大雨と湿気、そして熱気が渦巻く中で90分間を戦ったが0-4で敗戦した。 【現地写真】「熱狂的すぎ…」インドネシア応援団のヤバい熱量、“キラキラネイル”の女性サポーターも…日本戦「リアルな現地の様子」を見る 終了の笛が鳴ってインドネシア代表の選手たちが力なく整列位置につくと、6万人を呑み込んだスタンドから起きたのは拍手。大量失点での黒星であることや、グループCで最下位に転落したことを思えば、意外なリアクションだった。
インドネシア人記者の本音「勝てるとは思ってなかった」
キックオフ前のスタジアムにみなぎっていた勝利への期待感や、1968年のムルデカ大会でインドネシアが日本Bに「7-0」で勝利した歴史を高らかに掲げ、「これを忘れるな!! !」「我々はこの再現を信じている」と書かれたビジュアルパフォーマンスから想像すれば、ブーイングが起きても不思議のない状況だと思われたが、怒号は聞こえなかった。インドネシアのファン・サポーターは選手たちに温かい拍手を送り、さらにはスマホの照明を向けてねぎらった。 隣の席にいたインドネシア人記者に、「観客は少なくとも勝ち点1を期待していたと思うのですが、ブーイングが起きないのはなぜですか?」と訊ねてみた。彼はこう言った。 「インドネシアでは結果にかかわらずまずは拍手をするのが伝統です。あと、僕の考えなんですが、日本は明らかに別格ですよ。僕は試合前から日本に勝てるとは思っていませんでした。グループCは日本以外の国で争っているようなものです。だからブーイングが起きないのでしょう」 嘆きや諦観が自然と思えるほど、確かに日本は強かった。
インドネシア選手たちは呼び止めをスルーして…
インドネシアの選手たちが日本選手をリスペクトしているのも伝わった。前半35分にオウンゴールで日本に先制点を献上するなど苦しんだDFジャスティン・ハブナー(ウォルバーハンプトン)は試合後に遠藤航のもとへ歩み寄り、ユニフォームを交換した。オランダからの帰化選手である21歳のセンターバックは、1月のアジアカップ・グループリーグ第3戦でも日本戦でオウンゴールを献上しているが、試合が終われば悔しさと一線を画すリスペクトや友好の気持ちがあるのだろう。 ハブナーは今年3月から7月までウォルバーハンプトンからの期限付き移籍でセレッソ大阪に所属していた選手でもある。Jリーグでの出場機会は少なかったが、4、5月に行われたU23アジアカップ兼パリ五輪アジア最終予選にも出場し、インドネシアをプレーオフ進出へと押し上げていた。 今回の日本戦前にも、インドネシアメディア『CNN』の取材に対して、「僕はJリーグを経験しているから、日本のレベルを知っている。相手は格上だが僕らのチームもクオリティは高い。恐れる必要はない」と強気のコメントをしていた。 だが、ロッカールームへ引き上げたのを境に、0-4で敗れた現実に胸を衝かれたのだろうか。ミックスゾーンではうつろな目を見せ、記者陣の呼び止めをすべてスルーして足早にバスへと向かった。