自民総裁選 所見発表演説会(全文2)新自由主義的政策を転換
総裁を除く党役員の任期を1期1年、連続3期までに
今、コロナで疲れ、ばらばらになりかけているこの国を、もう一度、ワンチームにまとめ、みんなでこの国難を乗り越えていく、保守政治の原点に立ち返り、今こそ丁寧で寛容な政治を進めようではありませんか。 もちろん、私1人では実現できません。しかし私には素晴らしい仲間がいます。今この瞬間も、不肖岸田のために汗をかいてくれる全国の党員の皆さんがおられます。自由民主党は人材の宝庫です。目立たずとも着実に仕事を重ね、成果を上げる同僚議員が、あちらにもこちらにもおられます。こうした皆さまに光を当て、全員野球でチーム力を発揮することが大きな力となる。全員で力を合わせて、正々堂々とした政治を取り戻してまいります。 そのためには、まず隗より始めよ。4つの視点から自民党改革を進めてまいります。1つ目は新陳代謝です。党役員に中堅、若手を大胆に登用し、自民党を若返らせます。比例73歳定年制を堅持いたします。そして、青年局、女性局の代表を党本部、都道府県連、さらには選対本部の役員に加えます。 2つ目は、権力の集中と惰性の防止です。党役員の任期を明確化し、総裁を除く党役員の任期を、1期1年、連続3期までといたします。 3つ目は地方との連携強化です。全国幹事長会議、政調会長会議、これを月一度、オンラインで実施し、地方の意見を党運営に反映いたします。また、自民党イントラネットを構築し、政策や活動をリアルタイムで全国の組織、議員と共有してまいります。そして党員募集、そして党費納入、こうした党員との接点のデジタル化を進め、次期総裁選挙はオンライン党員投票を実現することを目指してまいります。
現場に足を運び、国民の声を聞き、政策に反映
4つ目は政策力の強化です。毎年の骨太や予算編成を目指した1年ごとの政策立案サイクルに加えて、中長期的な国家戦略を立案するための仕組み、これを構築します。また、EBPMの強化、取り組んでまいります。小選挙区制の導入により、党の役割が格段強まったにもかかわらず、党運営、マネジメントの改善は手付かずでありました。今申し上げた点を含め、党の運営を近代化するために、党に自民党版ガバナンスコード検討委員会を設け、外部の意見も聞きながら自民党改革、徹底的に進めてまいります。こうした具体策を提示している私にしか改革は実現できません。 総裁選挙に当たりまして3つの約束、3つの政策についてお話をさせていただきます。私は民主主義を守り抜くために、国民の皆さんに3つの約束をいたします。第1に、国民の声を丁寧に伺います。私自身が現場に足を運び、国民の皆さまの声を聞き、政策に反映してまいります。 第2に、個性と多様性を尊重する社会を目指します。若者も高齢者も障害のある方も、そして女性活躍を進め、性別にかかわらず全ての人が居場所を見つけ、生きがいを感じられる社会を目指します。 第3に、みんなで助け合う社会を目指します。コロナ禍を通じて、われわれはあらためて家族、仲間の絆の大切さに気付かされました。もちろん自助の精神は大切です。しかし人は1人では生きていけません。デジタル化が進む現代だからこそ、もう一度、人の温かさ、つながりが感じられる社会を目指します。 政策面でも、国民の生活を守り、国民の所得を増やす3つの政策をお約束いたします。第1にコロナ対策です。コロナとの戦いには国民の皆さんの協力が不可欠です。そのためには政府方針に対する納得感が不可欠です。私は方針の内容、必要性、決定に至るまでのプロセス、これらを自ら丁寧に説明いたします。また、危機管理の要諦は最悪の事態を想定するということです。たぶん良くなるだろうではコロナに打ち勝つことはできません。常に最悪の事態に備えながら対策を講じてまいります。 そして当面の目標はウィズコロナを前提に、季節性インフルエンザと同様、従来の医療提供体制の中で対応可能なものとし、通常に近い経済社会活動を1日も早く取り戻すということです。病床、医療人材の確保、徹底した人流抑制と、そのための数十兆円規模の経済対策、ワクチン接種促進、治療薬の開発・普及などの対策を、全体像を示しながら実行してまいります。