「ステージゼロの乳がんなのに乳房全摘を医師から告げられて…」小林アナ 30代の迷いと決断
小林アナさん:治療方法は病気の進行具合によっても変わります。何を優先するかは病気の進行状況や、人それぞれの考えがあると思いますが、当時の私は胸を失うのがすごく怖かったです。なんとか胸を残せないかと、セカンドオピニオンを求めて4か所くらい、他の病院に行きました。でも、どこに行っても全摘出を勧められました。そのなかで、全摘出と同時に乳房の再建手術が可能という病院を唯一見つけました。 ── それで全摘出と再建手術をすることにしたのでしょうか?
小林アナさん:すぐには決断はできませんでしたが、その病院には乳がんの患者会がありました。私みたいに治療法を悩んでいる人、これから手術する人、治療中の人や何年も前に治療した人など、いろんな人が集まっていたんです。手術方法を迷っている段階で、そのクリニックで手術した方に再建した胸を見せてもらえました。すごくきれいな胸で「これだったら怖くない」と、手術を決断できました。当事者の人たちの話を聞けたのは大きかったです。もちろん医師からの説明もとても参考になったのですが、自分と同じ立場の人たちだからこそ分かり合えることがたくさんありました。
── 実際に手術を受けていかがでしたか? 小林アナさん:手術した翌日に帰宅できるほどでした。ただ、手術後はものすごく痛くて、腕が上がらない状態。肋骨も痛く、寝起きするのも大変なほどで…。病院では「日常生活を送ることがリハビリになります。ふつうに過ごしてください」と言われました。痛みに耐えながら日常生活を送るのは大変でしたが、回復もとても早く、手術の1か月後には仕事を再開していました。 ── 31歳で乳がんにかかるのはとてもつらい経験だったと思います。
小林アナさん:早期に発見できたのは本当によかったです。検診を受けることの大切さを痛感しました。区役所からの子宮頸がんのクーポンが送られてきたときに、乳がん検診も一緒に受けなかったら、がんになったことにも気づかなかったし、もっと進行していたと思います。あとは、セカンドオピニオンを受けるのも重要だと思いました。もし、思考停止になって最初の病院で言われるがまま手術を受けていたら、私は胸を失っていました。