「ステージゼロの乳がんなのに乳房全摘を医師から告げられて…」小林アナ 30代の迷いと決断
■「仕事に行きなさい」母の言葉に救われた ── 自覚症状もない初期段階にもかかわらず、全摘出を勧められたのはショックだったと思います。 小林アナさん:本当にどうしたらいいかわかりませんでした。ひとりで検査結果を聞きに行ったのですが、頭が真っ白になりましたね。「私が乳がん?自覚症状もない初期段階なのに全摘出ってどういうこと?」と混乱したものの、自分のこととは思えずにドラマみたいだなと感じたくらいです。その後、じわじわとショックが襲ってきて…。告知後すぐに母に電話して「乳がんって告知されて、胸の全摘出を勧められた。どうしよう」と伝えたんです。すると母からは「今日はラジオの仕事があるでしょう?とりあえず仕事にはちゃんと行きなさい」と言われました。その言葉に「あれっ?」と拍子抜けしたというか、現実に戻った気がしました。
── お母さまは冷静ですね。 小林アナさん:もちろん母もショックだったと思います。でも、昔から学校のズル休みすら許さない人でした。「仕事に行くように」という言葉も母らしくて「浮足立たず、地に足をつけてしっかりしなさい」と支えてくれた感じがしました。おかげで「クヨクヨしてもどうしようもない。いまの私にできることは、目の前のことにきちんと取り組むことだ」と思えたんです。母が私と一緒に取り乱すのではなく、冷静でいてくれたのが心強かったです。
母は闘病中、抗がん剤治療やホルモン治療を行っていました。あるとき入浴後、母の髪の毛がバサッと抜けたんです。当時の私はそれがすごくショックでした。母も悲しんで涙を見せていました。でも、すぐに気持ちを切り替え、おしゃれなウィッグを見つけてファッションを楽しんでいたんです。そういう前向きな姿を見ていたから「きっと私も大丈夫だろう」と思えました。
■ステージゼロなのに胸の全摘を勧められ「悩んだ末に…」 ── 治療はどのように進めたのでしょうか?