巨人時代と別人? 新天地で抜群の安定感で輝く「技巧派左腕」は
個人を尊重する吉井監督
就任2年目の吉井理人監督は開幕前に週刊ベースボールのインタビューで、以下のように語っていた。 「選手たちが明るく、伸び伸びとプレーしているように見えると言われることがありますが、そういうチームにしようと自分から意識しているわけではないです。プレーするのは選手。その選手たちがプレーしやすい環境をつくるのも自分の仕事の一つだと思っているので、そういった意味では意識していると言えますけど、特に『明るく、楽しく』という空気をつくろうという特別な意図はしていません。結果的にそうなっているとすれば、それは選手たちの個性じゃないですかね。もともと明るい子たちなので。僕は何も意識していないんです。とにかく、選手がやりやすい環境をつくろうとしているだけです。実際のところ、全員がやりやすいと思っているかどうかは分からないじゃないですか。そうじゃないと感じている選手がいたとしても、そういうことを言いに来ることもないでしょうから。何でも言いに来ていいとは言っているのですが、そこは分からないですね」 「野球は個人競技に近い部分もありますがやはりチームスポーツなので、チームワークを考えると個人の希望が通らないときもあるでしょう。そこをうまく折り合いをつけながら、選手がやると自分で決めたことを最大限尊重したいと思っています。それが監督の仕事です。もちろんプロ野球なので、勝たないと意味がありません。もうすぐペナントレースが始まりますが、言われるまでもなく今年の目標はレギュラーシーズン1位になって優勝することです。勝ってこそのプロ野球だと思うので、『どうしたら勝てるのか』ということを毎日一生懸命に考えて、やっていきたいと思っています」 8月4日のオリックス戦(京セラドーム)で3対0と完封勝利を飾り、今季最多タイの貯金11。10ゲーム差で追いかけるソフトバンクの背中はまだ遠いが、勝ち続けることで重圧を掛けるしかない。メルセデスは先発陣の中心として左腕を振り続ける。 写真=BBM
週刊ベースボール