ワークマン「Future TECHレインスーツ」がハイスペックになった予想外の理由
ファッション性を追求したらハイスペックになってしまった
山田: 「Future TECH」はどういった経緯で企画されたのですか? 羽倉: 山田さんと共同開発することで、ワークマンにもタウンユースできる製品が増えました。ですがあるとき、レインウェアでカジュアルに使える製品がないことに気が付きました。つまり、もっとも幅の広いゾーンに向けたレインウェアが存在していなかったのです。 ですので、日常で気軽に着られるファッショナブルなレインウェアをつくろう、というアイディアから出発しました。 レインウェアに用いられる素材の多くはテカリがあり、どうしても安っぽい雰囲気になってしまいますから、いかに生地感をカジュアルウェアに近づけるかがキーポイントとなりました。 山田: 「Future TECHレインスーツ」は耐水圧30,000mm、透湿度20,000g/m2/24hと、ワークマンのレインウェアのなかでもトップクラスのスペックです。
羽倉: まず、素材の表情には徹底的にこだわりました。天然素材の雰囲気を再現するために、短繊維のポリエステルツイル生地を使い、手で触ったときの風合いも追求しています。このように、ファッション性にこだわってつくったのですが、結果的に非常にハイスペックな素材ができあがってしまいました(笑)。
羽倉: 裏面にはトリコット風の3Dプリントをして立体感を出し、湿度が高いときでもベタつかず、さらっとした肌離れが良い仕上がりにしています。
羽倉: ディテールにもこだわっています。圧着などを使ってステッチ(縫い目)をできるだけ見えないようにしています。ステッチが見えると、作業着っぽさが強くなってしまいますので。
羽倉: レインウェアとしての機能もできる限り「ステルス化」しています。止水ジップを使った胸のポケットは、生地で隠れる仕様になっています。
羽倉: ワークマンのレインウェアは必ず袖にゴムが入ったギャザー仕様になっているのですが、それもタウンウェアっぽくないので、ゴムを廃して長めの面ファスナーでしっかりとホールドできるようにしています。