2回の経営破綻から従業員900人へ。人口1万人の過疎地で奮闘する中川敬文の仕事術【HOW I WORK】
敏腕クリエイターやビジネスパーソンに仕事術を学ぶ「HOW I WORK」シリーズ。今回お話を伺ったのは、⼈⼝1万⼈の過疎地、宮崎県都農町(つのちょう)に移住し、株式会社イツノマを起業した中川敬文さんです。 2回の経営破綻から従業員900人へ。人口1万人の過疎地で奮闘する中川敬文の仕事術【HOW I WORK】 中川敬文 キッザニアを創ったUDSの代表20年|宮崎県都農町移住&イツノマ起業|グランドデザイン|廃校活用|商店街再生|HOSTEL ALA経営|都農中学校の総合学習|こども参画まちづくり▶︎第15回日本まちづくり大賞受賞 note / X / Instagram 中川さんは、ホテルや、レストラン・カフェ、商業施設、公共施設などまちづくりを行なうUDS株式会社の代表を務めた後、2020年に宮崎県都農町へ移住。HOSTEL ALAの経営をしながら、こども参画のまちづくりを行なっています。 そんな中川さんに、まちづくりに関わりはじめたきっかけから、AI時代に一番必要な能力の伸ばし方までをうかがいました。
中川敬文さんの一問一答
氏名:中川敬文 職業:経営者 居住地:宮崎県都農町 現在のコンピュータ:MacBook Air 現在のモバイル:iPhone 12mini 現在のノートとペン:ほぼ日手帳 PILOT FRIXION 仕事スタイルを一言でいうと:いつの間に
移住4年目、一番大変なのは今!
──宮崎に移住をしてまちづくりをしているということですが、具体的にどんなことをしていますか? 大きく3つに分けられます。1つ目は、空き家や廃校の活用、町並みづくりを企画から運営まで考えていくことです。たとえば、僕の自宅は、築50年の空き家で、リノベーションをして自宅兼ホステルにしていたり、本社も約90年の歯医者をリノベーションしてコワーキングスペースにしています。 2つ目は、HOSTEL ALAの経営です。都農町は人口1万人の過疎地で観光客は多くありません。そこで、スタディーツアーに力を入れています。東京の新渡戸文化高校や京都の日吉ケ丘高校といった探究や地方創生を強化している高校と提携して、高校生が地域課題解決の探究に来るスタディーツアーを行なっています。 3つ目は、一番やりたかった子どもの教育。中学校の総合学習の時間で、年間24時間、各学年を担当しています。テーマは、まちづくり。 その発展で小学生のゼロカーボン推進チームや、中学校でまちづくり部という部活を作って運営しています。オフィスには毎日中学生たちが来て、僕たちの本業であるまちづくりの仕事も共有して進めています。 ──学生まで巻き込んで、取り組みをされているのですね! うまくいっているように見えますが、仕事で大変だったことはありますか? 一番大変なのは、今です(笑)。今まで3つの事業を並行できたのは、町の理解と予算があったからに尽きます。でも、町長が変わったタイミングで街の方針が変わり、売上の8割がなくなってしまったんです。 ──嘘のような話ですね…。 民間の直営事業を成長させておく必要があることを痛いほど理解しました。まちづくりは、結果的に町からの委託業務がメインになりがちです。 政治的要素がリスクになるため、自分たちで売上をあげる方法を考えなければ難しい。来年同じ時期に来てもらえれば、乗り越えた方法もお伝えできるかもしれません(笑)。