家事アドバイザー・山崎美津江 なぜ家の中で「物の置き場所」が決まれば、家族が成長を遂げられるのか?理想は必要な物にすぐ手が届く<コクピット>
就職、結婚、子育て…。ライフステージが変われば、住まいも生活時間も、そしてお金の使い方も一緒に変わらざるを得ませんよね。実際、自分なりのやり方でその都度しっかり見直してきたというのが「スーパー主婦」としてメディアでも活躍する山崎(正しくは立に可)美津江さんです。家とは希望が叶い、いつからでも新しくなれる場所だと話す山崎さんいわく「居場所の理想はコクピット」だそうで――。 【写真】主婦室では机の隣に棚を配置。座ったまま手を伸ばすと文房具や家計簿を取り出せます。頭と手を同時に動かせるからストレスなし。 * * * * * * * ◆「居場所」って?理想はコックピット 「居場所のある家ってどんな家ですか?」と聞かれたら、「ワクワク感のある家」。「主婦室」と呼んでいるスペースは元は次女の部屋ですが、少しずつ使いやすく変えてきました。 理想はコックピット。 パイロットは計器を自在に操作して飛行機を目的地へ飛ばすことができます。それと同じように、ここでは必要な物が手の届く場所にあって、速やかに目的を果たせる。だから活動のスイッチが入ります。 「さあ、何から始めよう」とワクワクできるのが「居場所」の魔法です。
◆置き場所の決まらない家で一番振り回されるのは「子ども」 「居場所」は物の置き場所が決まるとできる、という順序があります。これは法則のようなもので、初めて聞くと、物の置き場所と人の居場所がどう繋がるのか、ピンとこないかもしれません。 しかし、置き場所の決まっていない家で一番振り回されているのは子どもです。 友の会(『婦人之友』の読者の集まり)のメンバーで、ある家の片づけをしたときのこと。 学校から帰ってきた中学生の女の子が、カバンを置くと片づいたキッチンに吸い込まれるように入ってきました。「わあ、すごい、ここが私のお弁当箱の場所ね」、そう言って頷く姿に感動を覚えました。 これまではお弁当箱、バンドや袋、箸がてんでんばらばらに置いてあったから、毎回探すのにひと苦労だったでしょう。お弁当を自分で詰めなさい、片づけなさいと言われても、何がどこにあるかわからなかった。 けれど置き場所が決まれば、そこを起点に体を動かすことができるようになるのです。
【関連記事】
- 秋のうちに大掃除をしませんか?年末よりも気候が穏やかなだけでなく、汚れが落ちやすいというメリットも!
- 整理収納アドバイザー・阿部静子 サンダル、寝具、扇風機…。家の中に<夏の名残>が残っていませんか? この時期ならではの「片づけポイント」を解説!
- 稲垣えみ子 電子レンジ、掃除機、洗濯機を手放したら家事が断然ラクになった?便利なものは「自分」を見えなくしてしまう
- みんなから見てもらえない場所だと男性は料理をしたがらない?一級建築士が「行き止まりのキッチン」より「アイランドキッチン」をすすめるワケ
- 樋口恵子 無謀と言われても84歳で家を建て替えたワケ。エレベーターに電動雨戸。この家で懸命に生き、いよいよになったら施設で介護を受ける選択肢も