【ラグビー】初キャップ獲得も、忘れぬ弟への気遣い。松永拓朗[日本代表/SO]
所属する東芝ブレイブルーパス東京では主にFBを任されることがほとんどだが、ジャパンではSOとFBを兼任する。 10番のポジションでプレーしたのは、昨季の第13節(4月14日)、リッチー・モウンガを欠いたコベルコ神戸スティーラーズ戦以来だ。 「10と15の両方ができるのは自分の武器です。東芝でも次のシーズンに向けては練習でずっと10番に入っていましたし、そこのギャップはありませんでした。どちらかというとリーグワンの決勝から試合をしてなかったので、その心配はありましたが大丈夫でしたね」 試合前日のジャージープレゼンテーションではチームがサプライズを用意していた。コベルコ神戸スティーラーズでプレーする年子の弟、貫汰がビデオメッセージを寄せたのだ。 昨季のレギュラーシーズンに全試合フル出場を果たした貫汰もまた、日本代表入りを目指している。春に一度、合宿にも呼ばれていた。 「弟もジャパンになりたいと思っている中で、こうしたことをするのは決して簡単なことではなかったと思います。複雑な気持ちがありながら、それでも称えてくれました。今日の試合も見に来てくれています。すごく感謝しています」 日本代表とはいろんな人の思いを背負う。それをあらためて実感し、「このジャージーを着られることは本当に幸せなことだと感じました」。 「着続けるためには成長し続けるしかない。チームにもっとコミットして、ポジション柄、もっとチームを引っ張れるようになりたいです」 世代別代表には縁がなかった学生時代を乗り越え一気に日本代表へ。10月30日には、大学3年時に関西学生代表でニュージーランドに行って以来という海外遠征で、フランスへと旅立った。 ジャパン定着へのアピールは続く。 (文:明石尚之)