アパレル関係者は絶対に買わない「セールでお得に見えても避けるべきアイテム」
―[メンズファッションバイヤーMB]― メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第512回をよろしくお願いします。
福袋のほとんどは「ハズレ」な根拠
福袋は買うべきではない! 今年も警告させていただきます! 年末年始のこの時期、福袋を買ったという人も多いのではないでしょうか。コロナ禍においては行列など過剰な集客を抑えるため福袋販売を自粛していたお店も多かったのですが……今年は例年と変わらずどのお店も福袋を展開。有名セレクトショップや地方の路面店までさまざまなお店が手がけていました。 当たりが入っているか、はたまたハズレか……ワクワクしながら福袋を買った人も多いでしょうが、結果はどうでしょう? できることなら過去に戻って福袋代を貯金しておくべきだったと後悔しているのでは。 そう、福袋のほとんどは「ハズレ」と言っていいはずです。来年も騙されないように以下に根拠を綴っておきます。
①宣伝効果を狙うなら隠すはずがない
「福袋は宣伝効果があるからいいものを入れるはずだ」と考える人もいるでしょうが、そもそも宣伝効果があるというのなら中身を隠す必要がどこにもないのです。 「こんなものが入ってます! スゴイでしょ!?」と中身をいくつか公開しておくほうがよほど宣伝になります。中身を隠してしまえば、そうした拡散効果は見込めず買った人にしか宣伝が届きません。合理的に考えて宣伝効果を狙うなら隠す必要はないはずです。 実際、レディスブランドを中心に「必ずコレが入ってます」「中身はこの4パターンのうちどれかです」など中身を公開しているところも少なくありません。 そのお得さから話題となり行列が生まれ、買い漏れた人は普通にセール品を買って行ってもくれます。中身を隠すというのは普通に考えて、当然売り手に優位な理由だからなのです。
必然的に福袋として不良在庫を捌く慣習が必要
そもそもアパレルは需要予測が大変難しいジャンルです。トレンドがあり、人々の気分がコロコロ変わること、さらに気候天候を読みきれないことから需要が往々にして激変します。 また、服は生産するためにおよそ3か月~半年程度の期間が必要なため、秋冬服の需要を先読みしておく必要があります。 半年前に暖冬になるか、大雪になるかなど読み切れるわけもありません。結果として、在庫ロスが生まれやすく、必然的に福袋として不良在庫を捌く慣習が必要となるのです。 皆が欲しいものなら当然、売れてなくなってるはず。然して福袋の中身はその年に予測が外れた残り物となるのです。