「起こることは意味あること」尾崎繁美さんが愛する息子尾崎裕哉さんから受け取った手紙
「母の日」に寄せて、息子から届いたメッセージ
先日、5月12日は豊と私の36年目の結婚記念日でした。それと同時に「母の日」でもありました。 息子からは「花束を持って参上する」とメッセージが来ていました。「花束を持って参上~」というフレーズを通常は母親には使わないだろう、と思うかもしれません。でも、アメリカで育ったからなのか、豊の遺伝子がなせる技なのか、教えたわけでもないのに、こういった少しキザな言い回しをすることがあります。 結局、当日は息子も忙しく、会えませんでした。でも、息子が元気で忙しくしていることが一番で、息子が笑顔でいられることが何よりのプレゼントだと思っています。 数日後に、息子からニコライバーグマンの生花が届き、メッセージカードも一緒に添えてありました。花束は私の人生を彩ってくれるような鮮やかでカラフルな色彩でした。その花々を眺めていると息子からの想いに心が満たされ、思わず笑みがこぼれました。そして、密かに楽しみなのは添えてあるメッセージカードです。毎年、裕哉は素敵なメッセージをくれるのです。 ---------- HAPPY BELATED MOTHERS DAY!! (& FATHERS DAY) 今年は無事に33回忌も終えられて、一つの区切りになりましたね。 たくさん時が流れたけど、忘れられないことも沢山あるかと思います。 全てがいい思い出かどうかはわからない。 でもそれらに何か意味のあることだとして、 その意味が放つ光を見出すことが人生の楽しみになれば、 とても素敵だなと最近思います。 光に照らされますように。 ---------- メッセージにある「&FATHERS DAY」は、10代の頃から息子が書き添えるようになった言葉です。 シングルマザーで息子を育ててきた私は、母親だけでなく父親の役割もしてきたので、裕哉はいつも母の日と父の日の両方を祝ってくれるのです。そして、今年のメッセージは、豊の33回忌を終えたことに対しての労いの言葉が添えられていました。愛と思いやりに溢れている息子の想いが光となって、瞬く時を照らしてくれます。 息子には幼い頃から、「人生に起こることは、全て意味があることなのだ」と教えてきたのですが、今回、「光に照らされますように」というメッセージを受け取り、豊と三位一体で、家族の絆を感じました。実は昔、豊にも同じ様に、「光に照らされますように」……という言葉をもらったことがあるからです。 豊が旅立ったとき、裕哉はまだ2歳9ヵ月で父親の記憶は鮮明には残っていません。ですが、選ぶ言葉や物を見る角度は、ドキッとするほど重なることが多いのです。私が心に閉まっていた豊からもらった言葉を裕哉が発することもよくありました。「光」や「照らす」という表現もまさにそのひとつで、豊も裕哉も多くの人たちの心に光を灯したいと感じているところが共通しているのです。 こういった言葉を受け取るたびに、豊という光、そして、裕哉という光に照らされているのだな、と感じています。 後編では、息子・裕哉に対して、私自身がどんな思いで子育てをしてきたのかをお伝えしたいと思います。
尾崎 繁美