ソフトバンクのドラ1村上が入寮 千賀&藤井を参考に“泰斗フォーク”に磨きをかける
“落とし球”を突き詰める。ソフトバンクのドラフト1位ルーキー、村上泰斗投手(17=神戸弘陵)が5日、新人選手の一番乗りで福岡県筑後市の若鷹寮に入寮した。年始に親戚からお年玉をもらった右腕は、最先端の設備が整う筑後ファーム施設でフォークを磨くと意欲満々。“泰斗フォーク”を武器に1年目からの1軍登板を目指す。 5人きょうだいの末っ子の村上は、プロ入り元年となる25年の正月にもお年玉をもらった。17歳は「親戚の方々から。中身は見てないです」と照れながら貯金に回すと話した。新人でいの一番で入寮し、これからは充実した筑後ファーム施設で技と体の貯蓄に励む。入寮後には室内練習場で早速キャッチボールを行った。 「まだフィジカルも経験も実力も足りません。土台をつくって、いいスタートが切れるようにやっていきたい」 高校から投手を始めて約2年半と経験は浅いが、ドラフト1位で指名された好素材。最速153キロの直球に加え、カーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ、フォーク、ツーシームと多彩な変化球を操る。高校で武器とした“落とし球”のフォークに磨きをかけたいと思っている。 教科書にしてきたのは、ソフトバンクから海を渡り、メッツで活躍する千賀のフォークだった。「使い始めて1年半。千賀さんの動画を見て、握り方からやってきた」。さらに改良を図るために中継ぎ右腕・藤井のフォークも参考にしたい考え。「藤井さんのはジャイロ回転で高めから落ちます。僕のはまだまだ通用するレベルではない。カウントが取れたり、三振が取れる有効な球を投げられるように」と理想を掲げている。 千賀が操るフォークにはドロンと消えるように落ちるという意味で「お化け」の異名が付いた。村上は動作解析システム「ホークアイ」や弾道測定器「ラプソード」など最新機器を活用し「泰斗(たいと)フォーク」をつくり上げる。「タイトスケジュールのタイトではないです」と軽くボケて「数字などでも出していただけるので」と進化に胸を躍らせた。 約4万円でオーダーメードした枕を持参して入寮し、疲労回復の対策もばっちり。「1年目で1軍登板ができればなとは思っています」。睡眠時には夢を見ないタイプだと話したが、ルーキーイヤーの夢はしっかり描かれている。 (井上 満夫)