50代後半でまだ月経があるのはよくないこと? 閉経はどんなに遅くてもいいの?【我慢しないで快適に過ごす、閉経への道 ⑧】
閉経する年齢は51歳前後が平均とされているが、実は個人差が大きく、40歳で閉経する人から50代後半で閉経する人もいる。アラ還でも月経がある、まだ終わりそうにない…という人は、どう考えたらいいのだろう? 閉経の年齢は、初経の年齢(月経が始まった年齢)とも関連はなく、遺伝でもないということがわかっている。まわりはほとんど閉経しているのに、自分だけまだ月経がある…。それっていいこと? それとも悪いこと? 今回も、日々外来で患者と接している婦人科の先生方にお話を伺う。
女性ホルモンに守られている年数が長いのはよいことです!
「私のクリニックの患者さんでも、57、58歳で月経がある人もいます。あったらあったでいいと思いますね」と話すのは、更年期をはじめ、女性の生涯にわたる健康に寄り添ったわかりやすい解説に定評がある産婦人科医の対馬ルリ子さん。 「閉経が早いと、その分だけ女性ホルモンがない時間が増えちゃうでしょう? 女性ホルモンは女性の健康や若さを保ってくれる守り神だから、守ってもらえない年月が増えるということ。 平均の閉経年齢は50歳ちょっとなんだけど、それはあくまで平均。すごく早い人も遅い人もいて、その差は10年以上あるんですよ。57、58歳まで月経がある人がいる一方で、40歳で閉経する人もいるということ。極端に言えば、20年近く早く老化するかもしれないということです。 閉経が遅い人は、女性ホルモンに起因する乳がんのリスクが上がるといわれているけど、いずれにせよ、乳がんはみんなチェックしたほうがいい。それに乳がんは、予防というよりはもう検診と自己チェックで早期発見するのが最良です。 100年という人生の長さからすると、女性ホルモンは60歳くらいまで月経があったほうが、急激な老化が少ないだろうと思うんですよ。やっぱり今、私たちが自分に期待する若さや活力というものは、昔と全然違います。社会が女性に期待する活力も違うけれど、60代、70代も引退するどころか、もはや普通の社会人ですからね。 それを思うと、本当はもう少し卵巣寿命を長くする方法とか、開発されたらいいなと思いますね。そういったアンチエイジングの研究は少しずつされていますが、実現までにはもう少しかかるかな。 でも、50代後半で月経がある方に『もう止めたいです』と言われたら止めることもできるし、『ホルモン値を下げたい』と言われれば下げることもできます。 今は、月経やホルモンをコントロールできる時代なんですよ」