新型フリードの「価格」「装備」「燃費」をライバル・シエンタと比較する
ファミリーカーとして人気のミニバンの中でも、ホンダ「フリード」とトヨタ「シエンタ」は、全長を4m少々に抑えたコンパクトなボディによる運転のしやすさを特徴としたモデルだ。 【写真】ステップワゴンゆずりの高級感を持つ新型フリードの内外装 一方、こうしたコンパクトミニバンが人気を得た背景には、クルマの値上げもある。2005年ごろまで、ホンダ「ステップワゴン」やトヨタ「ノア/ヴォクシー」などのミドルサイズミニバンは、売れ筋グレードを200万~230万円に設定していた。
ところが今は、ステップワゴンはハイブリッドではないガソリン車でも300万円を超える。 エアロパーツを備えたハイブリッドの「スパーダe:HEV」は、約370万円だ。ノア/ヴォクシーもガソリン車の売れ筋グレードは約300万円、ハイブリッドとなると約340万円に達する。 このように、ミドルクラスミニバンの価格は、2005年ごろ比べて1.2~1.5倍に上がっているのだ。 ■安全装備などの「標準装着」が増えた
値上がりの背景には、2つの理由がある。ひとつは衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能といった先進安全装備の充実だ。たとえば、2005年に発売された3代目ステップワゴン。 この世代では、LEDヘッドランプはまだ装着されておらず、横滑り防止装置(ESP)、サイド&カーテンエアバッグ、衝突被害軽減ブレーキ(CMS)、車間距離を自動制御しながら追従走行できるアダプティブクルーズコントロール(IHCC)などもオプションで、これらを合計したオプション価格は50万円近くに達していた。
こうしたアイテムがほとんど標準装着となったことで、価格が上がったのである。 【写真】新型フリードの内外装はどう変わった? シエンタの内装の様子も(20枚以上) 2つ目の理由は、昨今の原材料費やエネルギーコストの高騰だ。軽量化のための高張力鋼板の使用や、CO2 排出抑制を目的とした環境/低燃費技術の採用が、価格をますます押し上げた。 先進安全装備の充実などを考えると、今のクルマが一概に割高とはいえない。しかし、ステップワゴンやノア/ヴォクシーが「乗り出し400万円」となれば、いかに安全で魅力的でも、出費の重なるファミリーユーザーが気軽に買えるクルマではないだろう。