新型フリードの「価格」「装備」「燃費」をライバル・シエンタと比較する
■ガソリン車か? ハイブリッドか? ハイブリッドのe:HEVは、ガソリン車を34万9800円上まわる。この価格差そのものは“ハイブリッド代”としては割安な部類だが、「e:HEVエアーEX 6人乗り」が304万7000円、「e:HEVクロスター 6人乗り」は320万6500円で、いずれも300万円を超えてしまう。 なお、燃費や静粛性などに優れるハイブリッドのe:HEVを検討する際は、ガソリン車に比べて2列目シートに座る乗員の足が、運転席/助手席の下に収まりにくいことを覚えておいてほしい。
運転席/助手席シート下に2列目乗員の足が収まりづらいと、その分だけ2列目シートのスライド位置を後方にさげることになる。すると、3列目シートに座る乗員に、そのしわ寄せがくる。多人数乗車時の快適性を重視するなら、1列目の下に足が入りやすいガソリン車が好ましい。 WLTCモード燃費は、主力グレードになるエアーEX 6人乗りのガソリン車が16.4km/L、e:HEVは25.4km/Lだ。レギュラーガソリンの価格を160円/Lとすると、“ハイブリッド代”となる34万9800円の価格差を取り戻せるのは、9万~10万kmを走ったころとなる。
ただし、e:HEVはモーター駆動が中心のハイブリッドシステムだから、加速が滑らかでノイズも小さく、運転感覚も上質だ。それを考えると、1年間の走行距離が1万km以下でも、ユーザーの好みによってはe:HEVを選ぶ価値はあると言える。 ■微妙に異なるフリードとシエンタの商品性 ライバル車になるトヨタ シエンタとの比較も行いたい。シエンタの全長は4260mmで、全グレードが5ナンバー車。フリードクロスターのような、SUV風の仕様は(今のところ)ない。
全高はフリードの1755mmに対し、シエンタは1695mm(2WD)と60mm低いから、シエンタのほうがコンパクトな印象を受ける。 車内の広さはどうか。身長170cmの大人6名が乗車して、2列目に座る乗員の膝先空間を握りコブシ1つ分に調節すると、3列目に座る乗員の膝先空間は、フリードでは握りコブシ3つ分だった。一方のシエンタは、0.5個分にとどまり、足元空間はフリードが広い。 その反面、シエンタは薄型燃料タンクの採用で床が低い特徴がある。この低床設計により、3列目のフロアからシート座面までの高さは、シエンタが40mm上まわり、フリードと違って膝が持ち上がる姿勢になりにくい。