【ホープフルS回顧】クロワデュノールは“センスの塊” キタサンブラック産駒の大物候補が三冠へ視界良好
視界良好クロワデュノール
2024年12月28日に中山競馬場で開催されたホープフルSは、クロワデュノールが単勝1.8倍の支持に応える完勝。2歳シーズンを3戦全勝、無敗で駆け抜けた。 【ホープフルステークス2024 推奨馬】素質ピカイチ!前走タイムはイクイノックス超え 複勝率100%該当で信頼度◎ (SPAIA) どうしたって敵わないものがある。それをセンスという。努力を重ねてようやく発揮できる能力がある一方で、最初からできてしまうという能力もある。ホープフルSを勝ったクロワデュノールはセンスの塊のようにみえる。 もちろん、これは外側から実戦だけをみての感想なので、実際はどうなのかわからない。どうも緩さや未完成な面もまだまだ内包しているようで、その状況でセンスを放つなら、これは将来、超大物へと変貌するにちがいない。 大物候補へと大きく前進した前走の東京スポーツ杯2歳Sは、逃げるサトノシャイニングを見ながら2~3番手で射程圏に入れ、直線の追い比べで競り落とすという極めて消耗の少ない競馬だった。 その反面、インパクトは欠いた。やはりコントレイルやイクイノックスが放った強烈な決め手とどうしても比べてしまう。あっさりした競馬はときに軽く考えがちだが、重賞であっさり勝つ凄みを忘れてはいけない。 東スポ杯の後半1000mは58.3。コントレイルやイクイノックスは57秒台を記録しているが、58秒台での走破は秀逸であり、なによりこれを先行して叩き出したわけで、地力が違う。 その東スポ杯を踏まえた今回は中山芝2000mが舞台。クラシック、それも三冠を意識するなら、その初戦の舞台は当然、乗り越えなければいけない。あえて2歳3戦目に踏み切った陣営は、クロワデュノールに三冠を託したにちがいない。 内回りのフルゲート、独特の荒れた芝。試すべき課題に対し、クロワデュノールは完璧な答えを出した。ゲートをきっちり出て、難しい1コーナーの入りもスムーズ。中団の外で流れに乗り、ペースや周囲の状況に合わせて早めに進出。直線入り口で勝負を決めた。これこそ中山芝2000mの攻略法。そんな競馬を2歳12月にされては、センスを認めざるを得ない。 余裕を持たせて東スポ杯で賞金を加算し、GⅠで確信を得る。陣営の仕上げも非の打ちどころがない。来春、いや来年の主役はクロワデュノールになりそうだ。