話題の「キッズ脱毛」の疑問を医師が徹底解説! 「何歳からできる?」「身体への影響は?」
子どもの体毛の成長について理解をし、子どもの気持ちに寄り添いながら、自宅でケアする具体的な方法について、「神楽坂 肌と爪のクリニック」院長の野田先生にお話をうかがいました。一歩踏みこんで最近話題の「キッズ脱毛」がなぜこんなに流行っているのかに迫ります。 【キッズ脱毛が気になる人は必見】病院選びで見落としてはいけない、大事なチェックポイントとは
子どもの頃にムダ毛に悩んでいた親が、キッズ脱毛の門を叩く
――「神楽坂 肌と爪のクリニック」には何歳くらいのお子さんから脱毛の相談に来ていますか? 大体小学校4年生くらいからでしょうか。ほとんどが女の子で、最初は膝下の毛が気になってというケースが多いです。その年齢だと脇には生えていない子が多いですからね。私のクリニックでは「10歳、35kg以上」という条件でこども脱毛を受け入れていますが、それよりも若い年齢のお子さんでも気にしている人は多い印象です。男の子の場合は気にし始めるのは13才以降で、その頃は身体も大きいので大人の脱毛料金でお受けしています。 ――どんなお子さんが多いのでしょう? 例えばバレエや水泳を習っているなど、人目に触れることで気になり始めるお子さんが多いですね。男の子は相談数としては女の子よりもずっと少ないのですが、見た目を気にすると言うよりも、競泳や自転車ロードレースなど、競技をする上で毛を剃るスポーツをしているお子さんたちです。頻回に処理することになるので、長く競技を続けるために脱毛してしまいたいというご要望です。 カウンセリングをしていて感じるのは、来院されるお子さんの親御さんは、子どもの頃に毛のことで悩んだり、傷ついたりした経験があることが多いということです。我が子には同じ思いをさせたくないという気持ちでお子さんの脱毛を希望されているんですよね。そういう親御さんは、お子さんの「毛が気になる」という気持ちに共感と理解がありますし、もっと言ってしまえば、わが子が気にし始める前にどうにかしてあげたいと考えている方も少なくないんです。 先日も患者さんのお母様からそうしたお話を伺いました。お母様自身が子どもの頃に悩んでらっしゃったようで、娘さんにはそんな思いをさせたくないと日頃からムダ毛ケアや脱毛に関する話をしていたら、自然な流れでお子さんが「私もやってみようかな」と前向きになり、母子で相談に来院されました。脇と前腕のレーザー脱毛を受けていただきましたが、おかげで勉強や習い事に集中できると、とても喜んでいただけました。悩みを共有できたことで脱毛以外の話題など母子の会話も以前より増えたそうです。成人後に脱毛される方は多いですが、子どもの頃に済ませることで思春期の悩みを少しでも減らせたら良いですよね。 ――家でのケアに限界を感じたら、次はこども脱毛も検討できる時代なのですね。 いろいろ悩みを抱える世代であると同時に、その悩みを自分の中で消化しきれない年代でもあるわけですよね。親が全ての悩みをわかってあげることは難しいかもしれません。ですが身体の変化に関しては、悩みの軽減のために果たせる役割も多くあると思います。 毛のことだけではなく、例えばニキビに対しても「潰したら跡になっちゃうからダメよ」というアドバイスに加えて、もう一歩踏み込んで、「自己流でケアしないで、跡に残らないうちに一緒に皮膚科に行って先生に聞いてみようよ」と一緒になって解決法を考えるのも手助けになるかもしれません。親御さんもご自身の経験上、理解できることが多いと思いますので、その一言がお子さんにとって救いになると思うんです。 身体のことを子どもだけに任せると、不確かなネット情報に踊らされて、もっと悩みが深まることもあります。だから親御さんが正しい方向にお子さんを導くことも大切なことです。