話題の「キッズ脱毛」の疑問を医師が徹底解説! 「何歳からできる?」「身体への影響は?」
脱毛サロンと医療脱毛の違いとは?
――最近は「キッズ脱毛」の広告が多くみられるようになりました。エステティックサロンなどの脱毛サロンとクリニックで行う医療脱毛、そして家庭用の脱毛器とでは、どんな違いがあるのでしょうか? 一番は脱毛処置に使用する機械が違うということです。まず大前提として、毛の元を破壊する永久脱毛は医療行為に当たります。永久脱毛を可能にするレーザー脱毛器を導入し、施術できるのは医療機関に限られます。 では脱毛サロンではどういった脱毛の手段をとっているかと言うと、フラッシュランプという光脱毛です。レーザーに比べてパワーが弱く、抜けにくいので数十回は通わなければ十分な脱毛効果が見込めず、また永久脱毛ではありませんので、脱毛効果について明確に書いていないことが多いです。しかしその一方で、パワーが弱い分、痛みは少ないという特徴があります。高額なレーザー機器を使用せず、施術者に資格が不要な分、費用が安いというのも大きな違いです。 フラッシュランプは医療機関でも使用してはいますが、それは顔のくすみやソバカスの治療のためで、脱毛器としては痛みが少ない反面、効果が低すぎるので使用することはありません。 家庭用の脱毛器は、それのさらに出力が弱いものと考えて良いと思います。通販などで「レーザー脱毛」を謳う機器も売られているようですが、永久脱毛が出来るレーザー脱毛機は法律上、医療機関でなければ購入できませんし、施術にも医師または看護師の資格が必要です。また1000万円前後の非常に高価な機材ですので、通販で販売されることはありません。 脱毛効果だけでなく、安全性、治療期間、トータルの費用の点からも、医療機関で脱毛を受けることがおすすめです。 ――医療脱毛で使用されるレーザーはパワーが強い分、痛みも強い……となるとキッズ脱毛には不向きな気もするのですが? 確かに5年くらい前まではそうでした。当院でも以前は高校生以上でないと脱毛の施術はしていませんでした。それは小中学生では痛みに耐えられないからという理由です。それが機械の進化で大幅に痛みが軽減され、今のようにキッズ脱毛が普及するようになったのだと思います。 その新世代の「蓄熱式レーザー脱毛」は、従来型同様に医療機関でのみ施術ができるものです。レーザー光の1ショット当たりの出力を下げる代わりに連射することで、発毛に関わる組織に熱をため込んで永久脱毛をしていく仕組みです。これにより痛みはフラッシュランプ同等レベルまで軽減され、熱傷のリスクもほとんどなく、短い施術時間で完了するので、お子さんへの施術も可能になりました。