話題の「キッズ脱毛」の疑問を医師が徹底解説! 「何歳からできる?」「身体への影響は?」
レーザー脱毛で皮膚がんにはなりません
――子どもが施術して身体への影響はないのでしょうか? レーザーが治療機器として応用されはじめた50年くらい前には、発がん性の懸念があると一部で言われていましたが、しかしその後の調査研究でレーザーの発がん性は否定されています。当院では2009年の開院以来、脱毛レーザーによるやけど事例も皆無です。合併症に関しては、硬毛化といって細く長い毛が生えてくることがまれにあるとの学会報告がありますが、蓄熱式脱毛レーザーでは、その報告はほとんどありません。赤みが出ることもほぼないのですが、出た場合にも数分から数日で消えます。 このように安全性は十分確立されています。もちろん、毛が生えたまま照射することによる火傷の可能性はありますので、完全に剃毛をしてから行う必要はあります。 ――では何歳くらいから始められるのでしょうか? クリニックによって始められる年齢は異なりますが、10歳頃からが多いのではないでしょうか。よく初潮が始まってからの方が良いかというご質問をいただきますが、それは気にする必要ありません。初潮の有無と毛の質は関連がないからです。関連があるのは第二次性徴完了後とそれ以前とで、毛の質や太さや生え方のパターンに差があります。 ――脱毛が向いていない体質というのもあるのでしょうか? 光過敏症(日光を浴びるとすぐに皮膚が赤くなったり、水泡ができたりする)や悪性腫瘍のある方はレーザー脱毛ができないとされていますが、それ以外の基本的に健康なお子さんで、お子さん本人が毛を気にされているようであればどなたでも脱毛できます。まだ研究段階ではありますが、新世代の蓄熱式レーザー脱毛はアトピーの症状に対してポジティブに働くと期待されています。当院でも実際に症状が軽減したケースを目にしています。アトピーだからと脱毛を諦める必要はないと思います。 レーザー脱毛器の進化で、子どもの医療脱毛が身近になったことがよくわかりました。
【Profile】野田弘二郎(のだこうじろう)
「神楽坂 肌と爪のクリニック」院長(形成外科、皮膚科、腫傷皮膚科、美容外科、美容皮膚科)。医師、医学博士、日本形成外科学会専門医。皮膚腫瘍外科指導専門医。東京、パリをはじめ、国内、アジア、アフリカ、ヨーロッパ各地の病院でキャリアを積み、2009年に東京の神楽坂に開院。長年培った豊富な知識と確かな技術で、肌や爪のトラブルから脱毛まで行っている。プライべートでは副院長である妻と4人の子どもの父。