大晦日RIZIN参戦の“キングカズ”次男・三浦孝太は地下格闘技出身のYUSHIにサッカーボールキックで初陣を飾れるか
「自分の遺伝子を持った息子の、今回の無謀とも言えるチャレンジをどこか自分と重ね合わせている親の姿、というものが会話のなかで見え隠れしていました」 ともに追加発表された2カードが5分3ラウンドなのに対して、好奇の視線が注がれる孝太のデビュー戦は3分3ラウンドとなった。踏みつけや四点ポジションでのひざ蹴りが反則とされた一方で、サッカーボールキックはOKとなる変則ルールを採用した理由を、榊原CEOは「しゃれですね」とあえてサッカーに絡めたとしている。 格闘技界の次世代スターをファンと一緒に育て上げていきたいと、孝太の3年ないし5年後を見すえている同CEOとしては、その第一歩となるデビュー戦に父と同じ“19歳”や“サッカー”というドラマ的な要素を添えたいと考えたのだろう。 サッカーボールキックとは、グラウンド状態や座っている相手に対して、文字通りボールを蹴るように足の甲でキックを放つ技を指す。必然的にスリリングで緊張感あふれる展開が多くなるだけに、YUSHIも再び不敵な笑みを浮かべた。 「相手の顔面が下にあれば、思い切り蹴り倒してやろうと思っている」 サッカー経験のある孝太も負けてはいない。サッカーボールキックに対して「それでフィニッシュしたら、一番盛り上がると思う」と父譲りの技で勝ったと騒がれる光景を思い浮かべながら、こんな言葉をつけ加えることも忘れなかった。 「イメージはしておきますけど、実際にはそれほど簡単な世界ではないと思っています。逆に(食らうことへの)恐れみたいなものは特にないですね」 日本サッカー界が冬の時代の真っ只中だっただけに、ブラジルでプロになった19歳のときのカズはほとんど脚光を浴びなかった。対照的に来シーズンへ向けた去就が例年以上に注目されている、54歳の現役最年長Jリーガーの次男である孝太は、大晦日のデビューが電撃的に発表された9月からさまざまな形で注目を集めてきた。