大晦日RIZIN参戦の“キングカズ”次男・三浦孝太は地下格闘技出身のYUSHIにサッカーボールキックで初陣を飾れるか
元ホストという異色の経歴が注目されるYUSHIも、33歳にして総合格闘技でのデビュー戦に臨む。 全国から腕っ節自慢のホストたちが集まり、頂点を競う地下格闘技「宴」の軽量級王者に輝いたのは7年前。その後はボディビルにも挑戦し、肉体美を追求してきたYUSHIに以前から注目してきたRIZINの榊原CEOはこう語る。 「戦績なども考えれば、孝太にはちょっと荷が重いかもしれない」 それでも今回の対戦を決めたきっかけは、カズの言葉だったと同CEOは続ける。 「カズさんは『勝ち負けじゃない。一人でも多くの人に拍手を送ってもらえるような、プロとしての試合をしてほしい』と言っていたんですね。ともにデビュー戦で、レベル的にはYUSHIがちょっと上かもしれないけど、思い切って当たっていけばいい」 オミクロン株の出現で頓挫したものの、当初は外国人格闘家との対戦計画が進められていた。国籍はブラジルだけに絞り、サッカーを連想させる名前の格闘家と交渉。参戦を内定させた理由も、ブラジルでプロサッカー選手になったカズにあった。 カズは両親の反対を押し切る形で15歳のときに単身ブラジルに渡り、19歳で名門サントスとプロ契約を結んだ。孝太も中学生時代からボクシングジムに通い、徐々に格闘技に魅せられ、高校を卒業するタイミングで本格的にプロを志した。 レスリングのシドニー五輪代表で、その後、総合格闘家に転向して数々の名勝負を演じた宮田和幸氏に師事し、同氏が主宰するBRAVEで研鑽を積んできた。プロ格闘家を目指す孝太を後押ししてくれたカズや夫人のりさ子さんだが、下積みも何もなく、いきなりRIZINでデビューする道には難色を示されたと孝太は振り返る。 「しっかりと一から、小さな団体からやっていくのがいいと家族でも話していました」 それでも初志を貫き、競技こそ違うものの、父と同じ19歳でプロの肩書きを背負う。頑固さも伝わってくる孝太の生き様に、いまではカズ自身が頼もしさを覚えているのではないかと、カズ夫妻と話し合いの場を持ってきた榊原CEOは慮る。