U-19日本代表・高岡伶颯を擁する日章学園が、昨季優勝の宮崎日大を3-1で下しV
6月1日、令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)宮崎予選決勝が、いちご宮崎新富サッカー場(宮崎県新富町)で行われた。連覇を狙う宮崎日大と、2年ぶり18回目(前身の宮崎実業を含む)の優勝を果たしたい日章学園の昨年と同カード。結果は、地力に勝る日章学園が3-1で勝利し、全国大会へとコマを進めた。 【フォトギャラリー】宮崎日大 vs 日章学園 宮崎日大のキックオフで試合開始。開始早々の6分、結果的に試合の行方を大きく決定づけたプレーが生まれる。日章の高岡伶颯がバイタルエリアに切り込むと、これを阻止しようとした日大の田中健大が倒してしまう。これに対し、主審は決定的得点機会阻止の判定を下し、田中は一発退場。日大は序盤から、ひとり少ない状態でのプレーを強いられてしまう。 9分には、日章・小峠魅藍がロングスローを繰り出すと、日大GK岡崎真斗は弾いてCKに逃げる。日章がボールを支配する中、日大もスキを狙って反撃。13分、バイタルエリアでFKを得るが、チャンスは実らずじまい。14、16、20分には高岡がたびたび日大ゴールを脅かすも、得点にはつながらない。 飲水タイム明けから、日章はさらに圧力を強める。22分、野口昊平が放ったクロスは、ゴール前にいた高岡へ。高岡は右足で冷静にゴールへ蹴り込み、ついに均衡が敗れた。日章はなおも次々と日大ゴールを脅かすが、岡崎を中心とした日大守備陣が粘り強く守り、追加点を許さない。前半は1-0のまま折り返した。 後半に入ると日大も息を吹き返し、互角の戦いが続く。36分、日章はCKを得るが得点には至らない。39分、日大は左サイドに侵入しシュートを打つがゴールならず。直後にもCKのチャンスをつかもが、これも実らない。後半の飲水タイムが終わると、再び日章がボールを握る時間帯が増えていく。しかし、日大の守備は変わらず固く、なかなかゴールを破ることができない。57分には高岡が、遅延行為でイエローカードを提示された。 再びゴールネットが揺れたのは67分。高岡のクロスを受けた小峠がシュートを打つも、跳ね返される。そのこぼれ球を、後半開始から出場した佐久川友杜が右足でシュートし、2点差とした。さらに70分、水田祥太朗のパスを受けた高岡が2点目となるゴールを決め、試合をほぼ決定づける。 このままでは終わりたくない日大。田中の退場直後に交代出場した小濱良英が、左サイドからドリブルで持ち込んでシュートを打つと、これが見事にゴールを突き刺した。日章は今大会これまで無失点だったが、土壇場でその記録も潰えてしまう。直後、タイムアップの笛が鳴らされ、日章学園が全国大会の切符を得た。 試合後、宮崎日大の田野短大監督は開口一番、「11対11でやりたかった。子どもたちは出せる力を出してくれた」と悔やんだが、一方では「最後の1点を次につなげていければ」と希望も口にした。 日章主将で、JFA・Jリーグの特別指定選手としてJ3リーグの地元クラブ、テゲバジャーロ宮崎の受け入れが発表されたばかりの高岡は今年のチームについて、「一人ひとりがいいポテンシャルを持っている。強度をもう少し上げて全国に挑みたい」と力強く語った。 日章の原啓太監督は、「前半はボールも動いて思うようなサッカーができたが、相手の退場で逆に少し難しくなったかもしれない。2点目3点目が遅かったのは課題」と振り返る。全国大会に向けては「下級生も入れながらチームに競争を生んで、底上げを図りたい。早期敗退が続いているので、粘り強く戦って、上位進出できるように頑張りたい」と意気込んだ。 (文・写真=高浜確也)