“食中毒”から始まったPGAツアー昇格への道 大西魁斗「つらい2年間だった」
◇日米ツアー共催◇ZOZOチャンピオンシップ 事前情報(22日)◇アコーディア・ゴルフ習志野CC(千葉)◇7079yd(パー70) 【画像】ドライビングレンジには松山英樹を見ようとファンがたくさん… 26歳の大西魁斗は来季、夢のPGAツアーを主戦場にする。米下部コーンフェリーツアー2年目のことし、6月に「UNCヘルス選手権」で初勝利。2004年までに2勝した今田竜二以来の日本人優勝を飾るなど、トップ10に3回入ってポイントランキングで25位に。上位30位のボーダーラインをクリアし昇格を決めた。 キャリアのターニングポイントになる下部ツアー暮らしは「つらい2年間だった」と振り返る。1年目は予選落ちが12回でポイントランク100位。学生時代を米国で過ごしてきても、「毎週150人くらい出る中で、120人は優勝できる実力を持っている。総合的に実力が高くないと勝てない。『なんで予選を通らないのか』と日々考えていた」と壁は想像以上に厚かった。 コーンフェリーツアーはシーズンの序盤戦で中南米を回る。今季、自身初戦にしたコロンビアでの「アステカゴルフ選手権」期間中には食中毒にかかったという。そのタフなスケジュールで学んだのは同僚選手たちの意識の高さ。「(他選手たちは)試合があった木曜日も、金曜日もトレーニングをする」。大西も体重減を避けるべく、日本からパックご飯を持ち込むなど体づくりにも精を出してステップアップに繋げた。
ルーキーイヤーのデビュー戦は来年1月の開幕第2戦「ソニーオープンinハワイ」(ハワイ州ワイアラエCC)か、第3戦「ザ・アメリカンエキスプレス」(カリフォルニア州PGAウエスト)になりそう。ただその前に、ZOZO所属プロとして臨む本大会に報いたい。初出場の2022年が76位、23年64位と上位が遠いゲームに強く意気込む。 日本でプレーするのは5月の「中日クラウンズ」以来5カ月ぶり。「アメリカではやっぱり“アウェー感”がある。良いショットにリアクションしていただけるのはうれしいし、本当に結果で恩返ししたい」。松山英樹、久常涼に次ぐ来季3人目のPGAツアー選手として、母国のファンに全力でアピールする。(千葉県印西市/桂川洋一)