マ軍にイチローが起こす化学反応
イチロー外野手(41)が、メジャー3球団目となる新天地マーリンズのキャンプ地(フロリダ州ジュピター)でキャンプインしているが、キャンプ施設に姿をみせた瞬間から、早くも平均年齢27歳という若いチームに“化学反応”が起きている。 ストレッチのあいだ中、「イチロー、げんきデスカ?」「オハヨウ」「アリガト」。選手が次々と片言の日本語でイチローに話しかけてくる。 北米スポーツ最高年俸となる3億2500万ドルの契約を結んだ右翼手スタントン(25)、中堅手のオズーナ(24)、左翼手イエリッチ(23)と、現時点での外野のレギュラー陣がライバルであるはずのイチローと積極的に絡みにくる。平均年齢が約27歳という若いチームメイトは、イチローと共にプレーする時間を楽しんでいるようだ。 小学生の頃からイチローをみていたというイエリッチは「背面キャッチがクールで憧れた」。オズーナは「41歳なんて信じられない。僕には35歳にみえるよ」。主砲スタントンも「チームにとって大きい。いい影響を与えてくれると思う」と大歓迎した。ライバル関係を超え、イチローへの目線は憧憬を含んだ尊敬にあふれている。イチローは今や若い大リーガーに「1度は一緒にプレーしたい」と思わせる“レジェンド”の域に達しているのだろう。 現役時代は主に控え捕手だったレドモンド監督は、イチローよりわずか2歳年上の43歳。ツインズ時代にはイチローとも対戦し、「いい当たりをイチローによく好捕された。お陰で何本かヒットを損したよ」と笑わせた後、「外野の層が増して攻撃の幅が広がるだろう。代打もできるし、走力もあって多方面に価値のある選手だ」と戦力として高評価。 更に、グラウンド外効果にも「どう試合に備えるのか、どう体の手入れをするのか。どんなストレッチをしているのか、どうやって相手を研究するのか、そういうところを若手に間近でみてもらいたいんだ。そのプロフェッショナリズムは、若手が学ぶ絶好の機会になるだろう。彼がチームにもたらしてくれるものは計り知れないし、とてもエキサイティングだ」と言及した。