東芝が「暫定」決算会見(全文1)決算提出を延期せざるを得ない事象が発生
買収時に認識なかったコスト見積もりの必要性が判明
続きまして原子力事業についてご説明いたします。ここでのポイントは、この4基、米国でEPC(プラント建設一括請負)を取りましたけれども、ここでのポイントは、下のほうの東芝親会社保証提供というポイントで、2008年度に受注をいたしました。その後、経緯が書いてありますが、赤枠で書かれてありますように、安全規制等々が増える結果となり、お客さま、それからコンソーシアムを含む相手といろいろ問題が起こった。その問題が書いてあるのがこの緑の枠、緑の右側のところでございます。 そのような経過を経まして、買収の狙いでございますが、こういうことが狙いでございました。上の行でございますが、青く書いてあるところ、訴訟および訴訟懸案状態一括解決により、プロジェクト完工に注力するため、ということでストーン・アンド・ウェブスターを買収する。それに加えてコスト増、納期延長、これによる損害賠償請求を回避できたと。これが目的でこの買収を行いました。 その後、経緯が書いてありますが、ではなぜこれだけの、のれん、減損になったのかというところがこの表でありますが、ここには3つのポイントが書かれております。まず、一番上のところに書いてありますとおり、青枠のところで白抜きで書いてありますが、買収時に認識されていなかったコスト見積もりの必要性が判明してしまった。これが1点目であります。2点目として、右側の枠に書いてありますが、運転資本調整、これが年度内に解決するものだと思っておりましたが、CB&I社との訴訟等々で、年度内にこの調整ができなかった、来年度に持ち越してしまったということがございます。 3点目としまして、この買収後、改善が行われると思っていたんですが、右側の箱の一番下に書いてありますとおり、当初想定していた作業の効率の改善が進まなかった、改善を行えなかった。この3点のポイントといいますか、誤算といいますか、それによりまして今回の損失となりました。その損失を品目別に分析すると、労務費、調達コスト、予備費等と、この書いてある3つの要素に分かれてこの金額、6.1ビリオンと、こういう金額になっております。 のれんの計上のところでございますが、ここに書いてありますとおり、原子力のれん合計は7125億円と書きましたけれども、そのほかの繰延税金資産とかを含めた当期純損益ベースでは6201億円でございます。その下のところ、ポイントなのでちょっと読まさせていただきますと、ウェスチングハウス、WECは、CB&I社との買収契約で定められた運転資本調整を現在も継続しておりますので、完了しておりません。そのために、今回、のれんの算定におきましては、価格調整に関する資産・負債(受領による改善影響ならびに支払いによる悪化影響)、これを認識せずに算定しておりますということで、この運転資本のネットワーキングキャピタルの調整は来年度以降ということになります。 次に、課題の対策ということでありますが、現行の組織から右側の組織に変わります。前回もご説明しましたが、社長、私の直属のところで原子力事業統括部というのを設定いたします。それとともに、私を委員長として原子力事業監査強化委員会というものを設定をいたします。コーポレート執行役がリスク評価とモニタリング、これをしっかり見ていきたいということでございます。 それから、米国のAP1000、これの強化ということで、現地の体制を、ここに書いてあるとおり、細かくはご説明しませんが、このとおりに進めて管理をするということを進めてまいります。