東芝が「暫定」決算会見(全文1)決算提出を延期せざるを得ない事象が発生
WHによる買収で内部統制の不備指摘する内部通報
佐藤:佐藤でございます。監査委員を代表して私のほうからご報告申し上げます。当社は第178期第3四半期報告書を本年2月14日に提出すべく、作成作業を進めるとともに、並行して独立監査人によるレビュー手続きが進行しておりました。1月8日および1月19日に当社グループ会社であるウェスチングハウス社によるCB&I ストーン・アンド・ウェブスター社の買収に伴う取得価格配分手続きの過程において内部統制の不備を示唆する内部通報がありました。 これを受けて監査委員会として、当該内部通報の内容について、外部弁護士である西村あさひ法律事務所を起用し、ウェスチングハウス社が起用したK&L Gates LLPと共に事実関係の調査を行いました。調査の過程で当該内部通報者とは別に、ウェスチングハウス社の経営幹部からK&L Gates LLPに対し、ウェスチングハウス社経営者による不適切なプレッシャーの存在を懸念する指摘があり、1月下旬から2月7日にかけて西村あさひ法律事務所およびK&L Gates LLPによる当該懸念の指摘を行ったウェスチングハウス社の経営幹部へのインタビューを実施いたしました。 これを踏まえて監査委員会としては、経営者による内部統制の無効化が仮にあった場合には、四半期連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があると判断しました。そのため、現時点では四半期連結財務諸表に具体的に修正を行うべき事項を認識していないものの、四半期決算を完了させるには、内部通報により指摘されている事実関係に加えて、インタビューで懸念が示された経営者によるプレッシャーの存在やその影響範囲について、さらなる調査が必要との結論に、昨日午後、至りました。 現在、外部の弁護士である西村あさひ法律事務所およびK&L Gates LLPにおいて、一部経営者による不適切なプレッシャーの有無や、当該プレッシャーが存在した場合の会計への影響の有無、複数の関係者のインタビュー間の不整合の確認をはじめとする多岐にわたる調査を実施中ですが、今般、当該外部弁護士の西村あさひ法律事務所およびK&L Gates LLPによるこのような追加の調査の報告、ならびに独立監査人によるレビュー手続きには30日程度の期間を要すると判明いたしました。第178期第3四半期報告書の提出に当たっては、同報告書に添付するレビュー報告書提出の前提として、内部通報に関する調査の完了が求められており、法定の提出期限までに提出することが困難な状況となりました。このため、誠に遺憾ながら、当社は2017年2月14日付で四半期報告書の提出期限延長申請を行い、承認を受けましたのでお知らせいたします。 なお、経営者による内部統制の無効化が仮にあった場合には、現在作成中の第178期第3四半期報告書に記載する四半期連結財務諸表に影響を及ぼす可能性がありますが、当社は現時点では内部通報にあるような事実は確認されず、四半期連結財務諸表に具体的に修正を行うべき重要な事項は認識しておらず、独立監査人からもそのような事項の指摘を受けてはおりません。調査報告書を受領し、当該調査結果を受けて、措置を講じた上で独立監査人のレビュー手続き完了後、速やかに提出させていただく予定です。私からは以上です。