「うつ病に心の弱さは関係ない」丸岡いずみが経験した“心のキャパオーバー”とは? #今つらいあなたへ
うつ病は心の弱い人がなる病気だと思っていた
――うつ病だと分かったのはいつですか? 丸岡いずみ: このままではまずいなと思ったので、実家に帰って静養しているときにお医者さんに行ったら、初めてうつ病という診断をされました。過去にうつ病の取材をしたことがあったので、自分でも「これはうつ病に間違いない」って覚悟はしていたんですけど、診断名としてきちっと医師から言われるのは、なかなか受け入れがたかったですね。 ――うつ病に対する知識もあったとのことですが、実際に自分がうつ病になってどう思いましたか? 丸岡いずみ: 最初は、「キャスターとしていろいろな人にうつ病の啓蒙をしてきた自分がなんで?」っていう気持ちも強かったです。まずはそれを取り払うのが大変でした。どこかで、「うつ病は心の弱い人がなるんでしょ」みたいな、少しうがった見方も自分の中にあったと思うんです。でも、心が弱いとかは関係なく、条件がそろってしまったときに誰でもなるものだっていうことに気づいたんです。 ――報道に対してすごい使命感をお持ちだと思いますが、仕事をお休みしたことで、震災の報道に携われないことに対してストレスは感じましたか? 丸岡いずみ: ありましたね。私は何度も東北に通っていたので、取材対象者とすごく密接な関係を築いていたんです。でも、「突然日本テレビの丸岡さんが来なくなったね。どうしたんだろう?」って逆に私のことを心配してくださって。私の代わりに行った記者とかに「丸岡さんが最近来ないんですけど、どうされたんですか?」って聞いてくださったみたいで、記者も嘘をつくわけにもいかないので、体調を崩して休んでいるということを伝えたら、被災者の方々から寄せ書きとかが届いて。「早くよくなってくださいね」「また待っています」とか、私の似顔絵とか。すごく嬉しいんですけど、被災者の方に心配をかけてしまったことに落ち込みました。被災者の方たちは苦しい日常がずっと続いていて、それをみんなで乗り越えていこうとしているのに、私だけそこから逃げたみたいな、そういう気持ちに苛まれました。