「うつ病に心の弱さは関係ない」丸岡いずみが経験した“心のキャパオーバー”とは? #今つらいあなたへ
被災地の人たちが支えてくれた
――ご実家で静養されてからは体調がよくなったそうですが、つらいときに少しでも心が軽くなるようなことは何かありましたか? 丸岡いずみ: 回復期には、先ほど言った被災者の方たちが書いてくれた寄せ書きとかがすごく心の支えになって、毎日のようにそれを眺めていました。あとは手紙をもらったり、水揚げされたサンマを送っていただいたり。みんなが日常を取り戻そうと頑張っているのなら「自分も!」ってすごく勇気づけられて、またいつか現場に戻れたらいいな、お仕事に戻れたらいいなと思えるようになりました。 ――その後、2012年に復帰されました。 丸岡いずみ: 応援してくれている方の力が大きかったと感じます。私が取材させてもらったときに3歳だった女の子がいるんですが、当時、津波の影響などで、子どもたちは気持ちが高ぶってしまって、「赤ちゃん返り」がすごかったんです。それでお母様たちも大変で、そういう取材をさせていただいたんですけど、その子たちが今はもう高校生になって「バスケ部に入ったんですよ」とかってお手紙をくれたりして。被災地の人たちが私を支えてくれたという感じがします。だからそれに応えたいという気持ちと、報道自体がやっぱり好きなんだと思います。 ――今、当時を振り返ってどう思われますか? 丸岡いずみ: これは父がかけてくれた言葉ですけど「休むことも生きることなんだ」って。走っている自分、休んでいる自分、そのトータルで人生だということを教えてくれました。その時は本当にトンネルの中で光も見えないと思ったとしても、絶対に抜けられるときが来る。過去を振り返ったときに、そういう時代も確かにあったという感じで、自分の人生の中の一部として捉えられるようになりましたね。 ---- 丸岡いずみ 1971年生まれ。徳島県出身。2001年に日本テレビに入社、報道記者として警視庁捜査1課を担当し、その後キャスターに。2011年うつ病を発症し、休養。療養期間を経て復帰。2013年フリーで活動開始。現在は『情報ライブミヤネ屋』のコメンテーターを務める他、不登校時の生徒などが通う松実高等学園の顧問としても活動中。 監修: 精神科医 森隆徳 (※この動画記事は、笑下村塾「たかまつななチャンネル」とYahoo! JAPANが共同で制作しました)