大会成績と指名数の観点から 六大学のドラフトは減っているのか?(前編)
8日に開幕する全日本大学選手権で過去23回の優勝を誇る東京六大学リーグ。2年間優勝から遠ざかるなど、一時と比べレベル低下を指摘する声も聞こえてくる昨今。そんな人気・実力ともに大学野球界をけん引してきたリーグの今を、前編・後編に分けて探ってみたい。前編では近年の六大学リーグの主要大会成績やドラフト指名数という観点から、分析する。 ポジション別の指名状況 六大学のドラフトは減っているのか?(後編)
かつてはミスター、星野氏も
古くは長嶋茂雄氏(立大)や星野仙一氏(明大)、近年ではメジャーで活躍する青木宣親や和田毅(ともに早大)ら数多くのプロ野球選手を輩出してきた。しかし、そんなドラフトで人気銘柄だった六大学リーグにかつての勢いが感じられない。近年の主要大会成績でもその結果が如実に表れている。
東都の追随
表1には、大学選手権と明治神宮大会での成績をまとめた。直近15年の成績を見てみるとライバル・東都に圧倒されているのが分かる。両大会とも直近15年の優勝回数では倍近くの差を付けられ、ついには通算優勝回数でもリードを許す形となってしまった。成績では完全に東都リーグの勢いに押されてしまっている。
ドラフト指名数はどうだろうか。表2では過去15年の「六大学」「東都」のドラフト指名人数をまとめた。既卒というのは、それぞれのリーグを卒業後、社会人となってからプロとなった選手の人数を表している。ここでも、総指名人数において東都(84人)が六大学(68人)を圧倒している。 2000年から2003年までは六大学が東都より比較的多く指名されているが、2004年を機に東都の時代へと移行する。いったんは2009年から3年間持ち直したものの、それ以降は再び現在まで東都が人気銘柄となっている。着実に指名選手を増やす東都と、思うように指名者を伸ばせない六大学という構図が出来上がっている。
六大学は減っていない!
では、平均の指名者数はどう推移しているのか。六大学のそれは過去15年平均で5人、一方の東都は6人。六大学の指名者数は一時落ち込みを見せていたものの、例年平均付近を記録しており、伸び悩んでいるのが六大学の実情と言えそう。それに比べ東都は、平均を上回るペースで指名されている。つまり、六大学の指名者数が減ったというより、東都が指名者数を伸ばし続けていることで勢いを持って行かれた形となっている。