メグロS1は空冷シングル的ドコドコ感と、磨いて楽しい質感が魅力! 昭和レトロな新型モデルに試乗
ポジションは自由度が高く、足着き性も抜群
ライディングポジションは、ワイドだけれど絶妙な幅のバーハンドルなどにより、上体があまり前傾せず、自然な姿勢で乗ることができます。また、前後に長いシートは、着座位置に自由度があり、筆者のような小柄なライダーから身長が高い人まで、幅広いライダーが窮屈にならずに好みのポジションを取れるといえるでしょう。 また、足着き性は、身長164cmの筆者でも、片足・両足共にカカトまでベッタリと地面に着きます。このあたりは、740mmという低いシート高が効果を発揮していますね。ちなみに、兄弟車W230のシート高は745mmとやや高いですが、筆者の体格であれば、さほど差を感じないほどのレベルです。 例えば、街中の渋滞路やタイトなUターンをする際などに、仮にバランスを崩してしまっても、余裕で足を地面に着けて転倒を回避することができそうです。なお、こうした取り回しなどのしやすさには、車両重量143kgという軽量な車体も、相乗効果で貢献しているといえます。
エンジンの鼓動感や排気サウンドは大きな魅力
エンジンを始動させ、ギアがニュートラルの状態でアクセルを数回ひねってみると、空冷シングルエンジンらしい低く乾いた排気サウンドを楽しめます。カワサキの開発者によれば、メグロS1とW230のマフラー排気音は、かなりこだわったポイントのひとつなのだといいます。 特に、音質は、1960年代の250ccモデル「メグロ・ジュニアS8」の現車を旧車ファンのオーナーさんからお借りして、徹底的に研究したといいます。もちろん、排気ガスや音量など、現代の厳しい規制値をクリアしながらですから、かなり苦労したことがうかがえますね。その効果もあってか、メグロS1とW230の排気サウンドは、これらモデルの魅力のうちでも、特に大きなポイントとなっているといえるでしょう。 そして、実際の走り。アクセルを軽くひねりながらクラッチレバーをミートすると、スルスルと軽快に車体が走り出してくれます。 特に、メグロS1のエンジンは、低回転域からかなりトルクフル。パワーユニット自体は、オフロードモデルの「KLX230」シリーズと共通ですが、より低い回転からトルクが出るため、信号待ちからの発進でも、流れを十分にリードすることが可能です。 また、逆に、シングルエンジン特有といえる、高回転まで回すと頭打ちする感覚がなく、全域でスムーズに吹け上がる感じだったのも驚きです。 あくまで、筆者の経験上での感覚ですが、単気筒エンジンは、あまり高回転まで回さず、加速する際は早めにシフトアップしたほうが心地よく走れることが多いような気がします。 もちろん、メグロS1も、そうした走り方で、回転をあまり上げずにドコドコ感を味わうことが楽しいバイク。そこが大きな魅力だともいえます。目を吊り上げてガンガンに走るというより、周りの景色なども楽しみながら、ゆっくりと流して走ることで、心地よい走りを楽しめるバイクなのです。 でも、かといって、中・高回転域がつまらないという訳でもありません。例えば、ギアを2速や1速に落として旋回するタイトなコーナーなどの立ち上がり。加速時に一気にスロットルをひねっても、トルクの谷を感じさせず、パワーが心地よくスムーズに吹け上がる特性も合わせ持っています。 もちろん、低・中回転域と比べると、高回転域ではパワーの出方がややフラットな感じになります。でも、筆者が持っている空冷シングルの既成概念を覆すほど、全域でストレスを感じさせない特性であることは間違いないでしょう。
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