子どもの食べない、寝ない、便秘、登園しぶりの原因は? 小児科医が疑う「睡眠不足」
食べない、キレやすい、ボーッとしているなど、子どもの"困った"は、睡眠や食生活の乱れが原因かもしれません。子どもの健やかな成長のために、今、親がすべきこととは何でしょう? 医師の成田奈緒子さんに教えていただきました。 【マンガ】「集中力が高い子ほど、乳幼児期に体験している「フロー状態」とは? ※本稿は『PHPのびのび子育て』2020年6月号から一部抜粋・編集したものです。
睡眠を整えれば、おいしく楽しく食べられ健全に育つ
子どもが心身ともに健康に成長していくためには、十分な睡眠をとり、3食しっかり食べることが大切です。その軸となるのが睡眠です。 夜ぐっすり眠れば、寝ている間に食べたものが消化され、朝からおなかがすいて、朝ごはんをおいしく食べられます。朝食を食べると腸が動くので、うんちがストンと出て気持ちよく登園できます。 園では午前中から元気に活動できるので、昼ごはんもしっかり食べられるでしょう。午後も元気に遊び、おなかがすいたところで夕ごはんになります。たくさん遊んで体は疲れているので、夜はぐっすり眠って朝を迎えるという、いいサイクルができるのです。 睡眠が整えば、必然的に食事のリズムも整い、必要な栄養が摂れるのはもちろん、家族で食事を楽しむ余裕ができて、子どもの脳や心の成長にいい影響をもたらします。 幼児期は、朝7時には起こし、夜は遅くとも9時に寝かせるリズムを整えましょう。1週間ほど続ければ、いいサイクルができるはず。お母さんは大変かもしれませんが、小学校生活にスムーズに入るためにも、今が頑張りどきです。
食事が子どもの心をつくる!?
食べものの味やにおい、色や形、舌触り、鍋がグツグツいう音、家族の会話......。私たちは、五感をフルに使って食事をしています。幼児期は、脳をバランスよく健やかに育てたい時期ですから、食事は絶好の機会なのです。さらに、食事中のエピソードは、子どもの心を豊かにします。 たとえば「から揚げは10個だから、1人3個ずつだね」と、分け合う楽しさを知り、「パパはから揚げが好きだから、4個食べていいよ」など、思いやりの気持ちが育つ機会にもなります。「グリンピースは嫌いだけれど、ママが一生懸命作ったから、少しだけ食べてみようかな」なんて、自分の気持ちと折り合いをつけることを学んだりもできます。 子どもの脳や心が育つのは"楽しい食事"です。まずはテレビを消してください。そして、なるべく家族そろって食卓を囲み、楽しくおしゃべりしながら食べましょう。