子どもの食べない、寝ない、便秘、登園しぶりの原因は? 小児科医が疑う「睡眠不足」
睡眠を変えれば「子どもの困った」がなくなった
ネルソンの小児科学によると、各年齢で必要とされる睡眠時間は、3歳は10時間45分+昼寝1時間15分、4歳は11時間30分、5歳は11時間となっています。 5歳を例にあげれば、必要な睡眠時間を確保するためには、夜は7時に寝て、朝は6時に起こすリズムになります。 ただ現実問題として、夜7時に寝かせるのは難しいでしょうから、8~9時に寝て、朝6~7時に起きる10時間睡眠を目指しましょう。 子どもが朝グズる、食欲がない、便秘がひどい、登園を渋る、キレやすいなどの原因は、睡眠不足だとも言われています。早寝早起きをして必要な睡眠がとれていれば、朝、スッキリ起きてしっかり朝ごはんを食べることから1日がスタートできます。 日中を元気に活動すれば、体も心も満足して落ち着くので、このような"困った"は少なくなるのです。
子どもの心と体にいい生活Q&A
食べない、寝ない、起きない......。子どもの食事と睡眠に関する、ありがちな「困った!」に、お答えします。 Q.好き嫌いが多くて困っています。 A.楽しい雰囲気のときにトライしてみましょう。 「食事は楽しく」が大前提なので、叱ったり強制したりするのはNGです。そこは大人の知恵で、苦手な食材を小さく刻む、すり下ろすなどの工夫をしましょう。 ピクニックやホットプレートパーティーなど、楽しい雰囲気のときに出してみると案外食べることもあります。そこで「すごいね!食べられたね~」とほめてのせるのも手です。 Q.少食で、ごはんをあまり食べないので心配です。 A.おなかがすいたタイミングであげてみて。 少食なのは、おなかがすいていないからです。お母さんが食べさせたい時間と子どもの食欲にズレがあるのかもしれません。食事時間を決めてしまうのではなく、子どもの様子をよく観察して、おなかがすいてきたタイミングであげましょう。 おやつの時間や量も、夕食を食べる様子を見て調節していくと、夕食もしっかり食べられるようになります。 Q.遊び食べをするので食べ終わりません。 A.食事以外の時間で好奇心を満足させて。 食べるよりも遊びたい時間ではありませんか? もし、遊び出したり、立ち歩きを始めたら、いったん片付けて、おなかがすくまで待ちましょう。 また、遊び食べは子どもの発達を確認する機会でもあります。たとえば食べ物をコネコネしたがるなら、粘土遊びを十分させるのも方法。遊びで満足していれば、食事中にはやらなくなるでしょう。 Q.昼寝をすると、夜、寝なくなるのですが。 A.4歳になったら昼寝は不要になります。 早寝早起きができると、昼寝は自然と減っていきます。夜の睡眠に影響するなら、昼寝は16時までにすませ、時間を短くするなどの工夫をしましょう。 4歳になれば昼寝が不要になります。昼寝の時間に遊びに誘ったり、夕食の買い物に連れ出すなどして昼寝をさせないようにしましょう。1週間くらいでリズムができてくるはずです。 Q.朝、なかなか起きてくれません! A.朝、起きたときに、何か楽しいことをしましょう。 朝、目を覚ましたときには、グズグズさせずにきちんと起こしましょう。抱っこしてベランダに出て「気持ちいいね~」と声をかけたり、朝日を浴びさせたり、大好きな歌を歌ってあげたり、子どもにとって「起きて楽しい」をつくるのがコツです。 最初はグズるかもしれませんが、1週間ほど繰り返していれば、スッキリと起きられるようになるでしょう。