日本上陸を果たした「メルセデス G 580 with EQ Technology」は究極のオフローダーなのか?
今回は富士ヶ嶺オフロードコースの中のモーグルを主としたコースと、傾斜のきつい路面のあれたアップダウンのコース、結構なバンクを持つ林間コース、さらにその中には深い水たまりなどが組み合わされた全編過酷なオフロードが試乗コースとなっている。 個人的に2014年モデルのG350dを3年間ほど所有していたが、恥ずかしながら結局一度もオフロードらしいコースを走る機会はなかった。日本のゲレンデヴァーゲンオーナーの中に、ちゃんと(?)オフロードを走る機会がある方がどれだけいるのだろうか?だいたい僕と同じような使い方なのではないか、というのが勝手な憶測である。 なお、今回の試乗車は、G580も G450dも、ファルケン ワイルドピーク275/50/R20のオンロードタイヤを履いており、これはどちらのクルマにも標準装備となっているタイヤである。
まずは迷わずにG450dを指名しオフロードコースに乗り出す。走り出して実感したことは、滑らかで優しい加速と乗り心地、そして質量感を伝えながらも心地よい重さのステアリングフィールを持つことで、かなり過酷な凹凸でも身体に伝わるショックは最低限のまま、驚くほどつぎつぎと悪路を走破していくことであった。 20psと200Nmを発生するISGを搭載することによって367PS、750Nmとなったメルセデス・ベンツ史上最もパワフルな(!)6気筒ディーゼルエンジンは、「G400d」よりも明らかに、滑らかでありながら余裕十分に2560㎏の強固な車輛を動かす。
当日の朝まで降っていた雨とすでに前に走ったクルマのつけた轍の影響で、路面はかなりの悪コンディションではあったが、私のようなオフロードコース弱者であっても、汗をかくような努力も高等テクニックも要求せずにあっと驚くような路面をこなすことができる。 今回のコースには一か所だけ、かなり路面の状況が悪く、コース取りやアクセルワークによっては立ち往生する箇所もあったが、センターコンソールのデフロックスイッチ(恥ずかしながら初めて触った)を操作し、冷静にコースを選びなおせば問題なく走破することができた。そして室内はいたって平穏なまま、屋外の荒れ果てた環境とは一切無縁のまま、である。 この力強くパワーを発揮しながらも、なんともクリーミーで優しい感覚の源は、OM656Mの6気筒ターボディーゼルエンジンによるところが大きい。このエンジンは本当に名機であり、内燃機関にとってエンジンがいかに大切な存在であるかということが如実に理解できた。
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